抄録
本研究では,社会福祉士養成の「実習前評価システム(短期大学版)」を活用し,保育士養成における「実習前評価システム」の開発を行うことを目的に考案した「擬似CBT」を試行した。子ども福祉専攻2年生(2018年度生)は最大値90点,最小値38点,平均値69.43点,1年生(2019年度生)は最大値88点,最小値28点,平均値が69.60点であった。試験結果から両学年ともに,保育士の役割やデイリープログラムに関する問題の正答率が高く,保育所保育指針や制度・法律に係る問題の正答率が低かったことから,得意・不得意な項目が共通していることがわかった。また,2年間での養成においては,学生に対する自己学習のツールの提示,試験の実施による学習を促す環境づくり,知識量の数値化等によって,「実習生になるために準備すべきこと」を明確化することの必要性が明らかとなった。