理学療法おかやま
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Print ISSN : 0919-9829
研究論文
脳卒中患者における回復期リハビリテーション病棟退棟時の歩行自立可否予測 -入棟時の簡易な情報を用いた決定木分析による検討-
妹尾 祐太 井上 優
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2022 年 3 巻 1 号 p. 16-24

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抄録

【目的】脳卒中患者における回復期リハビリテーション(以下,リハ)病棟退棟時の歩行自立可否を,入棟時に得られる簡易な情報から予測可能か検討すること。【方法】対象は脳出血・脳梗塞患者105名とし,回復期リハ病棟入棟時に得られる属性情報,検査・評価結果,社会的背景,発症後の経過を後方視的に調査した。また退棟時のFunctional Independence Measure (以下,FIM) 歩行項目得点6点を基準に歩行自立群,非自立群に分類し,分類結果を従属変数,入棟時の情報を独立変数とする決定木分析を行った。【結果】任意で設定した脳卒中分類に加え,FIM運動項目合計点,FIM認知項目合計点,要介護認定区分が関連要因として抽出された。得られた予測モデルは正診率89.5%,感度83.3%,特異度97.8%,陽性的中率98.0%,陰性的中率81.5%,陽性尤度比37.50,陰性尤度比0.17,受信者動作特性曲線下面積0.918であった。【結論】回復期リハ病棟入棟時の簡易な情報により,脳卒中患者の歩行自立可否を予測できる可能性が示唆された。

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© 2022 一般社団法人 岡山県理学療法士会
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