理学療法おかやま
Online ISSN : 2759-2111
Print ISSN : 0919-9829
最新号
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研究論文
  • 明日 徹
    原稿種別: 研究論文
    2022 年 3 巻 1 号 p. 1-8
    発行日: 2022/12/01
    公開日: 2024/01/29
    ジャーナル フリー

    【目的】診療放射線技師(RTs)における作業関連性筋骨格系障害(WMSDs)の実態調査を目的とした。【方法】公益社団法人岡山県診療放射線技師会全会員735名に対し,郵送方式あるいはインターネットによるアンケート調査を実施した。調査期間は2021年2~4月の間で,調査項目は,基本属性,過去1年間のWMSDsの有無,業務状況,業務実施前・中・後の体操実施状況,ワークライフバランスの満足度,社会心理的質問(WOAQ)とした。WMSDsの有無により2群に分類し,各調査項目を検討した。【結果】アンケートは123名から回答を得た(回答率:16.7%)。WMSDs を有する者は67 名で,腰部41 名が最も多かった。WMSDs の有無による有意差がBMI,放射線防護衣の一日の平均装着時間,WOAQ の総得点にあり,WMSDs の有無との関連が性別,ワークライフバランスの満足度,業務後の体操実施状況にあった。【結論】RTs の身体的要因,社会心理的要因を考慮し,腰痛予防を含めた対策の必要性が示唆された。

  • 児玉 慎吾, 藤田 大介, 吉田 耕治, 杉 優子, 佐藤 宏樹, 篠永 篤志, 中野 直美, 明尾 高幸, 岡田 有司, 花山 耕三
    原稿種別: 研究論文
    2022 年 3 巻 1 号 p. 9-15
    発行日: 2022/12/01
    公開日: 2024/01/29
    ジャーナル フリー

    【目的】学生が学習しやすい診療参加型臨床実習の教育体制・教育計画・教育者(Clinical Educator:以下CE)の関わり方を明らかにするために,診療参加型臨床実習に対する学生の意識・考え方を調査した。【方法】対象は,2019年に川崎医科大学附属病院で臨床実習を受けた川崎医療福祉大学の4年次学生6名とした。臨床実習の教育体制は,多様な疾患領域の理学療法教育を目標とし,学生1名に対してCEが4~5名で構成される学生教育グループを構成した。実習終了後,1.教育体制・教育計画 2.CEの学生への関わり方について,質問紙調査を行った。【結果】多様な疾患領域を経験できる教育体制は,学生の満足度が高かった。CE1名の継続した教育期間は,2週間の期間が適切と学生が考えていた。【結論】学生が学習しやすい診療参加型臨床実習を行う上で,多様な疾患領域が経験できる教育体制,CE1名が最低2週間は継続して教育を行う教育計画,学生の学習を継続的に支援するCEの学生への関わり方は,重要である。

  • 妹尾 祐太, 井上 優
    原稿種別: 研究論文
    2022 年 3 巻 1 号 p. 16-24
    発行日: 2022/12/01
    公開日: 2024/01/29
    ジャーナル フリー

    【目的】脳卒中患者における回復期リハビリテーション(以下,リハ)病棟退棟時の歩行自立可否を,入棟時に得られる簡易な情報から予測可能か検討すること。【方法】対象は脳出血・脳梗塞患者105名とし,回復期リハ病棟入棟時に得られる属性情報,検査・評価結果,社会的背景,発症後の経過を後方視的に調査した。また退棟時のFunctional Independence Measure (以下,FIM) 歩行項目得点6点を基準に歩行自立群,非自立群に分類し,分類結果を従属変数,入棟時の情報を独立変数とする決定木分析を行った。【結果】任意で設定した脳卒中分類に加え,FIM運動項目合計点,FIM認知項目合計点,要介護認定区分が関連要因として抽出された。得られた予測モデルは正診率89.5%,感度83.3%,特異度97.8%,陽性的中率98.0%,陰性的中率81.5%,陽性尤度比37.50,陰性尤度比0.17,受信者動作特性曲線下面積0.918であった。【結論】回復期リハ病棟入棟時の簡易な情報により,脳卒中患者の歩行自立可否を予測できる可能性が示唆された。

調査報告
  • 廣重 陽介, 日傳 宗平, 片岡 孝史
    原稿種別: 調査報告
    2022 年 3 巻 1 号 p. 25-30
    発行日: 2022/12/01
    公開日: 2024/01/29
    ジャーナル フリー

    【目的】おかやまマラソンにおける過去4年間の救護活動内容を分析し,救護体制の再考や理学療法士に必要なスキルを考察することを目的とした。【方法】4大会の参加者60,003人を対象とした。4大会すべての救護活動について,所定の救護記録用紙の記録をもとに,救護件数,救急搬送例の救護時刻と救護地点,救護所利用者の主訴や症状などについて分析した。【結果】3件の心停止が発生したこと,救急搬送例の88.4%がレース後半に,92.8%が4時間を超えるゴールタイムペースで走った場合に発生したこと,救護所では運動器の痛みを主訴とする利用者が最も多かったことが明らかとなった。【結論】本結果は,人員の配置場所などの救護体制や救護所で活動するPTに必要なスキルについて検討する一助となったことが示唆された。

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