【はじめに】変形性膝関節症患者に対する理学療法介入で内側広筋の筋輝度改善が得られた症例を報告する。【対象と方法】症例は右変形性膝関節症(Kellgren-Lawrence 分類グレードⅡ)と診断された80歳代の女性である。 週2回の理学療法介入を8週実施し,介入前後で超音波診断装置を用いた大腿四頭筋輝度と膝関節痛,膝関節伸展筋力,Timed Up and Go test(TUG)を評価した。【結果】理学療法の介入前後で大腿四頭筋群の筋厚および筋輝度の改善を認め,特に内側広筋の筋輝度が改善していた。また,それに併行して疼痛,膝関節伸展筋力,TUGの改善を認めた。【結論】変形性膝関節症患者に対する8週間の理学療法介入で内側広筋の筋輝度と身体機能の改善を認めた。筋輝度は筋の質的変化を反映する評価指標であり,理学療法介入の効果判定に活用できる可能性がある。
【目的】慢性期脳卒中患者の歩行能力に対する非麻痺側下肢を対象とした運動観察療法と電気刺激療法の併用効果を検証した。【方法】症例は左大脳損傷により歩行障害を呈した60歳代男性で発症から5年以上が経過していた。症例の歩行能力は装具と杖を使用して監視レベルであった。研究デザインはBAB型シングルケースデザインを用い,各期2週間,週3日,1日20分間の介入を実施した。A期は歩行の運動観察療法と歩行練習,B期では歩行の運動観察療法に同期した非麻痺側大腿前面への電気刺激療法と歩行練習を実施した。運動観察療法では健常者を手本とした矢状面における歩行動画を撮影し,ノートパソコンにより再生した。主なアウトカムは10-meter walking test(10MWT)とtimed up and go test(TUG),非麻痺側の立脚中期膝関節伸展角度を用いた。【結果】特にB期において10MWTとTUG,非麻痺側の立脚中期膝関節伸展角度が改善傾向を示した。【結論】慢性期脳卒中患者の歩行能力に対する非麻痺側下肢を対象とした運動観察療法と電気刺激療法の併用介入による有効性が示唆された。