Organ Biology
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臓器移植改正法施行後の臓器提供の現状と課題
福嶌 教偉
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2013 年 20 巻 1 号 p. 12-18

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抄録
2010 年7 月17 日に「臓器の移植に関する法律の一部を改正する法律」が施行され,①本人が生前に拒否していない場合,家族の同意で脳死臓器提供が可能となり,② 遺言の有効でない15 歳未満の脳死臓器提供が可能となった.改正法施行後,2012 年12 月31 日までに118件の脳死臓器提供が行われ,脳死臓器提供はそれまでの約5 倍に増加したが,死体臓器提供数は微増である.同年6 月15 日には6 歳未満の小児からの脳死臓器提供が行われ,10 歳未満の小児2 名がおのおの心臓移植,肝臓移植を受けた.いまだに移植施設,提供施設,日本臓器移植ネットワークにはさまざまな課題は存在するが,今後も脳死臓器提供が増加し,臓器移植でしか救命できない患者が助かることに期待する.
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© 2013 日本臓器保存生物医学会
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