耳鼻咽喉科展望
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臨床
めまいを主訴としたArnold-Chiari奇形の1症例
山本 耕司富谷 義徳添田 一弘月舘 利治飯野 孝小森 敦史澤田 弘毅
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2008 年 51 巻 2 号 p. 104-109

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抄録
めまいを主訴に当科を受診したArnold-Chiari奇形の1症例を経験したので報告する。症例は23歳男性, 主訴はめまいであり, 平成18年12月頃, 車の運転中, 右方視時に目の回る感覚が出現し, その後も右方視時に短時間で消失する同様の症状が断続していた。近医を受診し, 頭部MRIを施行し異常なしと診断を受けるも症状が改善しないため, 平成19年2月22日当科を受診となった。初診時, 眼振所見にて垂直性下眼瞼向き眼振を認めた。電気眼振図検査と頭部MRIの結果よりArnold-Chiari奇形の診断となった。自発性垂直性下眼瞼向き眼振の所見を認めた場合, Arnold-Chiari奇形を念頭においた精査が必要であると考えられた。
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© 2008 耳鼻咽喉科展望会
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