耳鼻咽喉科展望
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臨床
喉頭気管狭窄を合併した睡眠時無呼吸症候群患者における咽頭食道内圧測定の有用性
大橋 正嗣千葉 伸太郎太田 史一森山 寛
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2008 年 51 巻 4 号 p. 215-221

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抄録
気管内狭窄や声門開大障害などによる気道狭窄は比較的まれであり, 睡眠時無呼吸症候群を合併した症例の報告はごく少数である。今回われわれは気道狭窄を合併した閉塞型睡眠時無呼吸症候群の3症例に対して, 閉塞部位診断および努力性呼吸の評価目的に咽頭食道内圧検査を併用した終夜ポリグラフ検査を施行した。検査結果からは3症例いずれも著明な努力性呼吸を認めたが, 無呼吸の原因となる閉塞部位は異なっていることが推測された。治療として3症例中2例においてCPAPを施行し有効であった。3症例の病態の解明には喉頭ファイバースコピーや画像検査による喉頭・気管の器質的な狭窄の診断と, 咽頭食道内圧測定による機能的な閉塞部位診断の両者が必要であると考えられた。
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© 2008 耳鼻咽喉科展望会
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