耳鼻咽喉科展望
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第32回 日本医用エアロゾル研究会
鼻腔内におけるComputational Fluid Dynamics Simulation
山本 高久中田 誠一紋谷 慎中島 務
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2009 年 52 巻 Supplement 号 p. s24-s29

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抄録

鼻腔の形状には個体差がある。このような鼻腔形状の個体差は, そのまま鼻腔内における物質輸送現象, たとえばネビュライザーによる鼻腔内への薬液ミストの導入や呼吸に伴い吸引する微粒子・エアロゾルの輸送などに大きな影響を及ぼすと考えられる。本研究では, 形状の異なる左右鼻腔空間内の物質輸送特性を定量的に明らかにすることを目的とし, 鼻中隔彎曲症・慢性副鼻腔炎・肥厚性鼻炎・下鼻甲介腫脹の患者CTデータから鼻腔の3次元幾何形状モデルを作成, 鼻腔内の数値流体力学解析 (CFD) を行った。その結果, 鼻中隔彎曲が鼻腔内の物質輸送特性に及ぼす影響が明らかになったとともに, ネビュライザー治療においては, その流入角度を操作することにより鼻腔内の物質輸送現象を制御できることが明らかになった。

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© 2009 耳鼻咽喉科展望会
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