耳鼻咽喉科展望
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第33回 日本医用エアロゾル研究会
鼻アレルギーに対する点鼻療法と携帯型ネブライザー療法の比較
大久保 はるか大木 幹文山口 宗太石井 祥子櫻井 秀一郎大越 俊夫今井 透
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2010 年 53 巻 Supplement2 号 p. s64-s69

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抄録

花粉症をはじめ鼻アレルギーは今や国民病といわれる重要な疾患である。鼻アレルギーの治療はアレルギー学会ガイドラインに示されるように薬物治療が中心であり, その中で局所療法は有効性が高いと考えられている。
近年, 携帯型ネブライザー装置が開発され上気道疾患に有用性が認められている。今回, この携帯型ネブライザーが花粉症の治療に有益であるかを点鼻と比較検討した。その結果, ネブライザー療法と点鼻療法はともに改善傾向であった。
そのことを踏まえて, 鼻副鼻腔に異常のみられない成人に今回使用したネブライザー装置と点鼻によって鼻腔内にどのように薬剤が沈着するかも検討した。その結果, ネブライザー装置による薬液は鼻腔内に広く沈着しているのに対し点鼻では頭部の傾きによって沈着部位の限局が認められた。
これらの結果より携帯型ネブライザー療法は鼻アレルギーに対しても有効と考える。

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