2013 年 56 巻 Supplement1 号 p. s108-s112
2002年から2011年に入院した大唾液腺腫瘍のうち, 手術加療を行った患者174人に対し, 後ろ向きに検討を行った。174人中, 耳下腺腫瘍143人, 顎下腺腫瘍30人, 舌下腺腫瘍1人であった。顎下腺腫瘍のうち悪性腫瘍患者は36.7%であり, 耳下腺腫瘍の21%に比して高かった。術前の質的診断として穿刺吸引細胞診が多く用いられていた。穿刺吸引細胞診の良悪性の感度・特異度・陽性的中率・陰性的中率・正診率はそれぞれ, 90.6%, 93.5%, 82.9%, 96.7%, 92.8%であった。また, 組織型の正診率は64.0%であった。超音波ガイド下穿刺吸引細胞診は術前診断に有用であった。