耳鼻咽喉科展望
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56 巻 , Supplement1 号
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筑波大学耳鼻咽喉科 原 晃教授就任十周年記念論文集
  • 原 晃
    2013 年 56 巻 Supplement1 号 p. s7
    発行日: 2013/03/05
    公開日: 2014/03/05
    ジャーナル フリー
  • 星野 朝文, 廣瀬 由紀, 西村 文吾, 上前泊 功, 田渕 経司, 大久保 秀樹, 和田 哲郎, 原 晃
    2013 年 56 巻 Supplement1 号 p. s8-s12
    発行日: 2013/03/05
    公開日: 2014/03/05
    ジャーナル フリー
    2002年1月から2011年12月の10年間に筑波大学附属病院の耳鼻咽喉科外来を受診した患者の統計学的解析を行った。受診数は, 総受診数, 患者数, 新患患者数ともに年々増加していた。初診患者の年齢別の評価では高齢化の傾向が見られた。紹介元は, 茨城県県南・県西地区からの医療機関が圧倒的に多いが, 県北, 県央, 鹿行地域, また県外からの紹介も多数見られた。耳鼻咽喉科医師の少ない茨城県において, 地域医療の要を担っていることが改めて示された。
  • 廣瀬 由紀, 田渕 経司, 和田 哲郎, 原 晃
    2013 年 56 巻 Supplement1 号 p. s13-s19
    発行日: 2013/03/05
    公開日: 2014/03/05
    ジャーナル フリー
    2001年1月より2011年12月までの11年間における筑波大学附属病院耳鼻咽喉科の入院患者について, 統計を取り評価を行った。11年間での総入院患者数は2,956人であり, そのうち1,749人 (59.2%) が腫瘍性疾患であった。腫瘍性疾患のうち悪性腫瘍は延べ1,260人 (42.6%実患者数1,127人) であった。疾患部位別では咽頭疾患が671人 (22.7%), 喉頭疾患が458人 (15.5%), 口腔疾患が164人 (5.5%), 唾液腺疾患が256人 (8.6%), 頸部疾患が248人 (8.4%), 鼻副鼻腔疾患が436人 (14.7%), 耳疾患が664人 (22.5%), その他の疾患が59人 (2.0%) であった。
  • 及川 慶子, 中馬越 真理子, 田渕 経司, 和田 哲郎, 原 晃
    2013 年 56 巻 Supplement1 号 p. s20-s25
    発行日: 2013/03/05
    公開日: 2014/03/05
    ジャーナル フリー
    2006年4月から2011年3月までの5年間に, 新生児聴覚スクリーニング後referとなり当院幼児聴力検査外来を受診した57例について検討した。新生児聴覚スクリーニング方法としては自動ABR (AABR) が21例, 耳音響放射 (OAE) が31例, OAEとAABRの併用が5例で, 初診時月齢は生後1ヵ月が最多の26例であり初診時の平均月齢は2.5ヵ月であった。紹介元施設は産婦人科医院が最も多く25例であった。新生児聴覚スクリーニング両側refer例が計21例, 一側refer例が計36例であった。両側難聴はAABRによる両側refer症例10例中8例, OAEによる両側refer症例11例中6例の他にOAEによる一側refer症例にも2例認め, 計16名であった。補聴器装用開始平均月齢は8.9ヵ月であったがそのうち進行性難聴が疑われた1例を除くと6.9ヵ月であった。
  • 星野 朝文, 田渕 経司, 和田 哲郎, 原 晃
    2013 年 56 巻 Supplement1 号 p. s26-s30
    発行日: 2013/03/05
    公開日: 2014/03/05
    ジャーナル フリー
    伝音難聴をきたす中耳疾患に対し聴力改善手術を行う場合, 術前に耳小骨連鎖の状態を把握するために, 液体負荷骨導検査や耳小骨筋反射検査を行ってきた。2002年1月から2011年12月の10年間に, 当科で術前検査を行った症例のうち, 手術を行って実際の耳小骨連鎖の状態が判明した16例について検討を行った。内訳は, 耳小骨離断が10例で, 耳小骨固着が6例であった。液体負荷骨導検査の正診率は, 耳小骨離断例で80%, 耳小骨固着例で66%であった。耳小骨筋反射検査ではreversed pattern波形の出現で判断するが, 今回は16例中4例のみで出現したにすぎなかった。reversed pattern波形の出現した4例については, 3例で術前検査の結果と合致した。それぞれ正診率も高く, 有効な検査と考える。
  • 田渕 経司, 廣瀬 由紀, 星野 朝文, 西村 文吾, 上前泊 功, 大久保 英樹, 和田 哲郎, 原 晃
    2013 年 56 巻 Supplement1 号 p. s31-s33
    発行日: 2013/03/05
    公開日: 2014/03/05
    ジャーナル フリー
    筑波大学附属病院耳鼻咽喉科で2002年1月から2011年12月までの間に行った中耳手術症例について, 臨床経過を検討した。真珠腫性中耳炎が最も多く, 247耳 (65.5%) を占めていた。真珠腫性中耳炎症例における聴力改善成績は全体で63.2%であり, I型鼓室形成術を施行した症例で聴力成績が良い傾向を認めた。
  • 中山 雅博, 吉村 知倫, 芦澤 圭, 中馬越 真理子, 廣瀬 由紀, 星野 朝文, 西村 文吾, 田中 秀峰, 上前泊 功, 田渕 経司, ...
    2013 年 56 巻 Supplement1 号 p. s34-s39
    発行日: 2013/03/05
    公開日: 2014/03/05
    ジャーナル フリー
    耳疾患が原因となって頭蓋内に炎症が波及する耳性頭蓋内合併症は, 抗生物質が発達した今日においてもその症状はきわめて重篤であり見逃してはいけない疾患である。今回, 我々は2002年1月から2011年12月までの10年間において耳性頭蓋内合併症を5症例 (S状静脈洞血栓症1例, 硬膜外膿瘍1例, 髄膜炎3例) 経験した。乳様突起炎に伴うS状静脈洞血栓症 (7歳, 女児) は抗菌薬による保存的加療で改善した。慢性中耳炎より発症した硬膜外膿瘍症例 (60歳代, 男性) は脳外科的手術, 耳科手術を行った。細菌性髄膜炎を反復した先天性内耳奇形症例 (40歳代, 女性) は手術により, 中耳-内耳の異常交通を遮断し, 以降, 髄膜炎は再発していない。また, 他2例は真珠腫性中耳炎から波及した細菌性髄膜炎であったが, 耳科手術を行った。耳性頭蓋内合併症の頻度は必ずしも高くはないが, その存在を常に念頭におき, 日々の診療を行う必要があると考えた。
  • 田渕 経司, 廣瀬 由紀, 星野 朝文, 西村 文吾, 上前泊 功, 大久保 英樹, 和田 哲郎, 原 晃
    2013 年 56 巻 Supplement1 号 p. s40-s42
    発行日: 2013/03/05
    公開日: 2014/03/05
    ジャーナル フリー
    人工内耳手術15症例において, 骨パテを使用し, その有効性を検討した。骨パテは後鼓室開放部での電極の固定, また, 体内装置の固定に使用した。全症例で, 術後経過は順調であり, 術後感染, 埋め込み部皮膚の障害, 電極の蝸牛外脱出は認められなかった。以上の結果から, 骨パテは人工内耳手術において有用であると考えられた。
  • 和田 哲郎, 中山 雅博, 廣瀬 由紀, 中馬越 真理子, 西村 文吾, 田中 秀峰, 星野 朝文, 上前泊 功, 飛田 忠道, 辻 茂希, ...
    2013 年 56 巻 Supplement1 号 p. s43-s48
    発行日: 2013/03/05
    公開日: 2014/03/05
    ジャーナル フリー
    1988年から2011年の24年間に, 当科を受診した聴神経腫瘍 (VS) 初回治療症例は187例であった。これらの内, 最終的に神経線維腫症II型 (NF2) と診断された症例は11例で, 10例は両側聴神経腫瘍により, 1例は一側の聴神経腫瘍と多発する髄膜腫と神経鞘腫により診断された。一側性聴神経腫瘍症例176例と神経線維腫症II型症例11例に分けてretrospectiveに検討を行った。
    10歳代の一側性聴神経腫瘍が2例, 逆に60歳以上の神経線維腫症II型も2例みとめられたが, 平均年齢は一側性聴神経腫瘍が52.9±14.3歳, 神経線維腫症II型が39.0±18.1歳と神経線維腫症II型で低い傾向がみられた。
    主訴はどちらも難聴が最も多かった。神経線維腫症II型では, 初診時から両側難聴であった症例は11例中4例と比較的少なかったが, ほとんどの症例で難聴が進行し, 最終的に21耳中12耳で高度難聴に至った。 (a) wait and scan, (b) 摘出術, (c) 放射線治療のいずれの方針によっても, 聴力温存の難しさが確認された。
    聴神経腫瘍症例ならびに神経線維腫症II型症例について治療方針決定までのプロセスを検討した。一側性聴神経腫瘍では腫瘍径が治療方針に大きく影響したが, 神経線維腫症II型ではそれに加えて聴力の状態が重要な因子となっていた。十分なインフォームドコンセントを得て方針を決定することがこの疾患において必要と考えた。
  • 吉村 知倫, 大原 浩達, 芦澤 圭, 中山 雅博, 廣瀬 由紀, 中馬越 真理子, 西村 文吾, 星野 朝文, 田中 秀峰, 上前泊 功, ...
    2013 年 56 巻 Supplement1 号 p. s49-s53
    発行日: 2013/03/05
    公開日: 2014/03/05
    ジャーナル フリー
    2002年から2011年の10年間に, 筑波大学附属病院耳鼻咽喉科に入院した鼻副鼻腔悪性腫瘍初回治療症例82例についてretrospectiveに検討を行った。男性60例, 女性22例, 年齢は63.1±14.6歳であった。原発部位別の症例数は上顎洞が最も多く40例 (48.8%), 鼻腔が28例 (34.1%), 篩骨洞が9例 (11.0%), その他が5例 (6.1%) であった。
    上顎癌に対する治療は原則として術前放射線治療に動注化学療法を同時併用で行い, その後, 手術可能症例には手術を施行した。当科で治療を施行した上顎癌33例について, 疾患特異的5年生存率は57.0%であり他施設の報告とほぼ同等であった。
    鼻副鼻腔がんの病理組織型ならびに浸潤範囲は症例によって多彩であるため, 症例毎に最適な治療の選択肢と適応の基準作りを進めていくことが重要と考えた。
  • 上前泊 功, 吉村 知倫, 大原 浩達, 芦澤 圭, 中山 雅博, 廣瀬 由紀, 中馬越 真理子, 西村 文吾, 星野 朝文, 田中 秀峰, ...
    2013 年 56 巻 Supplement1 号 p. s54-s57
    発行日: 2013/03/05
    公開日: 2014/03/05
    ジャーナル フリー
    当科で経験した頭頸部悪性黒色腫11例につき臨床的検討を行った。頭頸部皮膚1例, 外耳道1例, 鼻腔7例, 上顎洞1例, 上咽頭1例であった。年齢は20歳から88歳までの平均67歳, 性別は男性4例, 女性7例であった。全身状態不良で治療不能が1例あり10例に対し治療を行った。治療法は1例を除き陽子線治療を中心に陽子線治療単独または手術, 化学療法が併用された。カプランマイヤー法での3年生存率は22.5%であった。原発病死が1例, 遠隔転移死が4例, 他因死が1例であった。全身状態不良で治療不能が1例あり診断後15ヵ月で原病死した。陽子線治療を用いた症例が中心であった一方, 症例が限られており今後, 多施設での共同臨床研究などを通して陽子線治療を含め, 治療指針が確立されることが望まれる。
  • 中馬越 真理子, 及川 慶子, 芦澤 圭, 中山 雅博, 西村 文吾, 星野 朝文, 田中 秀峰, 上前泊 功, 田渕 経司, 大久保 英樹 ...
    2013 年 56 巻 Supplement1 号 p. s58-s63
    発行日: 2013/03/05
    公開日: 2014/03/05
    ジャーナル フリー
    嗅神経芽細胞腫は比較的稀な鼻副鼻腔腫瘍である。今回過去10年間に当科で経験した嗅神経芽細胞腫症例に関し, 臨床所見や画像検査をもとに検討を行った。症例は男性3例, 女性3例であり, 主な初発症状は鼻閉, 鼻出血であった。病悩期間は比較的長く, 6例の内, 5例が初診時に局所進行症例であり, 3例で頸部リンパ節転移を認めた。治療及び治療予定症例は観察期間中全例生存しているが, 非治療の1症例は腫瘍死し, 1例は経過追跡不能であった。従来の手術治療, 陽子線治療を含めた放射線治療に加え, 近年化学療法併用により予後の改善が認められている。一方で本疾患は再発率が高いことが知られており, 当科症例も2例で再発を認め, 長期的かつ厳重な経過観察が必要と考えられた。
  • ―当科における方法と工夫―
    村下 秀和, 田渕 経司, 星野 朝文, 上前泊 功, 和田 哲郎, 阿久津 博義, 高野 晋吾, 原 晃
    2013 年 56 巻 Supplement1 号 p. s64-s68
    発行日: 2013/03/05
    公開日: 2014/03/05
    ジャーナル フリー
    近年, 鼻副鼻腔に対して低侵襲であること, 明るく広い視野で術野全体を観察可能であることからトルコ鞍外病変 (斜台部, 海面静脈洞, 前頭蓋底領域) に対して経鼻内視鏡手術が発展しつつある。筑波大学でも平成22年4月より耳鼻咽喉科医と脳神経外科医による経鼻内視鏡下頭蓋底手術を開始した。手術における耳鼻咽喉科医の役割としては手術操作野の確保, 極力斜視鏡操作にならない視野の展開, 術後鼻, 副鼻腔機能の維持が挙げられる。前頭蓋底や海綿静脈洞での手術では斜視鏡下操作となりやすいが, 危険部位での斜視鏡操作は熟練の技術が必要である。そこで当院では極力直視下操作で手術が行えるように, 必要に応じて嗅裂の処理や翼口蓋窩の開放を行い手術操作野の確保を行った。一方, 手術操作野確保目的に, 中鼻甲介や上鼻甲介の切除, 翼突管神経の切除は極力行わない。これは術後の中鼻道の閉塞 (副鼻腔炎の惹起) や嗅覚障害, 流涙を防ぐためである。手術操作野の確保と術後鼻・副鼻腔機能の維持は一見相反することのように思われるが, 内視鏡下副鼻腔手術に長けた耳鼻咽喉科医が脳神経外科医と連携することにより解決し得るものと考える。
  • 西村 文吾, 吉村 知倫, 芦澤 圭, 中山 雅博, 廣瀬 由紀, 星野 朝文, 上前泊 功, 田渕 経司, 大久保 英樹, 和田 哲郎, ...
    2013 年 56 巻 Supplement1 号 p. s69-s72
    発行日: 2013/03/05
    公開日: 2014/03/05
    ジャーナル フリー
    1994年から2011年までに筑波大学附属病院耳鼻咽喉科で経験した頭頸部原発の小細胞癌について検討を加え報告する。症例は8例で, 平均年齢は63歳 (32~81歳), 男性6例, 女性2例であった。原発部位は, 鼻腔2例, 上顎洞1例, 篩骨洞1例, 上咽頭1例, 喉頭2例, 耳下腺1例であった。8例中6例がT4もしくはN2以上の進行癌 (stage IV) で, 鼻腔の1例と喉頭の1例がT2N0M0のstage IIであった。診断確定には病理組織検査による免疫染色が有用であった。治療法は肺小細胞癌に準じたCDDP, VP16による化学療法と放射線療法が中心で, 手術治療が行われたのは2例であった。4例が8~49ヵ月で原病死, 1例が2ヵ月で他病死, 1例が4ヵ月間担癌生存, 喉頭と鼻腔のstage IIの2例がそれぞれ64ヵ月間と66ヵ月間無病生存している。原病死症例は最終的には全例に遠隔転移をみとめた。治療法の確立していない現段階では, 病変の早期発見, 早期診断, 早期治療が予後の改善に必要であり, より有効な治療法の確立が望まれる。
  • 芦澤 圭, 吉村 知倫, 大原 浩達, 中山 雅博, 廣瀬 由紀, 中馬越 真理子, 西村 文吾, 星野 朝文, 田中 秀峰, 上前泊 功, ...
    2013 年 56 巻 Supplement1 号 p. s73-s79
    発行日: 2013/03/05
    公開日: 2014/03/05
    ジャーナル フリー
    2001年1月から2010年12月の10年間に筑波大学附属病院で治療された口腔癌の症例62例について治療法と治療成績について検討した。verrucous carcinomaの3例を除いた59例 (95.2%) が扁平上皮癌であり, 治療方針はTNM分類 (UICC第5版, 1997年) に基づいて行った。放射線感受性の低いverrucous carcinomaは手術を第一選択とした。扁平上皮癌のStage I, II症例に対しては舌癌以外は放射線照射で根治を目指すことを基本とし, 舌癌については小線源放射線治療を積極的に使用していた時期もあったが, 徐々に手術に変わってきた。Stage III, IVに対しては術前照射45~46Gyの後手術を行うことを基本方針とした。化学療法は基本的にはStage IIIないしIVの症例で放射線治療との併用で施行した。Kaplan-Meier法による5年粗生存率を扁平上皮癌59症例についてみてみると, Stage Iでは100%, Stage IIでは75.6%, Stage IIIでは37.5%, Stage IVでは40.7%であり, 全体では62.6%であった。
  • 芦澤 圭, 吉村 知倫, 大原 浩達, 中山 雅博, 廣瀬 由紀, 中馬越 真理子, 西村 文吾, 星野 朝文, 田中 秀峰, 上前泊 功, ...
    2013 年 56 巻 Supplement1 号 p. s80-s85
    発行日: 2013/03/05
    公開日: 2014/03/05
    ジャーナル フリー
    2001年1月から2010年12月の10年間に筑波大学附属病院で治療した上咽頭癌35例について検討した。32例がWHOによる3分類にあてはまり, その他の3例は腺様嚢胞癌2例, 小細胞癌1例であった。27例 (77%) が, TNM分類 (UICC第7版, 2009年) 上Stage IIIあるいはIVの進行癌に該当した。上咽頭癌に対する基本方針は, 放射線治療と化学療法 (白金製剤と5-FU®) の同時併用とし, この治療法で制御不可能な頸部リンパ節転移症例2例については, 治療の最後に頸部郭清を施行した。腫瘍消失後の再発は3例に認められ, 化学療法・手術・追加照射のうち可能なものを選択し再入院のうえ救済治療を行った。全体の疾患特異的5年生存率は68.2%であった。
  • ―TAR療法によるchemoradioselection―
    和田 哲郎, 吉村 知倫, 大原 浩達, 芦澤 圭, 中山 雅博, 廣瀬 由紀, 中馬越 真理子, 西村 文吾, 星野 朝文, 田中 秀峰, ...
    2013 年 56 巻 Supplement1 号 p. s86-s91
    発行日: 2013/03/05
    公開日: 2014/03/05
    ジャーナル フリー
    2002年から2011年の10年間に, 筑波大学耳鼻咽喉科に入院した中咽頭がん初回治療症例91例についてretrospectiveに検討を行った。男性77例, 女性14例, 年齢は62.5±10.2歳であった。亜部位別の症例数は側壁が最も多く58例 (63.7%), 前壁が22例 (24.2%), 上壁が8例 (8.8%), 後壁が3例 (3.3%) であった。HPV検査が施行された症例は7例であるが, 6例がHPVハイリスク群陽性を示した。緩和治療のみとなった12例を除き, 中咽頭がんに対し何らかの治療を施行した79例について, 疾患特異的5年生存率は55.6%であった。喫煙歴と飲酒歴は共に5年生存率に有意に関連した。
    当科ではTS-1, Vitamin A併用の化学放射線療法 (TAR療法) 45Gyを先行させることによって, その後の切除術の根治性を高め, また一方では, 反応良好例を選別 (chemoradioselection) し, 根治可能症例には継続して化学放射線療法を行うことで手術を回避し臓器温存の可能性を高めている。中咽頭がんの治療に対する反応は症例によってさまざまであるため, 症例毎にオーダーメイドの治療を行っていくことが重要ではないかと考えている。
  • 西村 文吾, 吉村 知倫, 芦澤 圭, 中山 雅博, 廣瀬 由紀, 星野 朝文, 上前泊 功, 飛田 忠道, 田渕 経司, 大久保 英樹, ...
    2013 年 56 巻 Supplement1 号 p. s92-s96
    発行日: 2013/03/05
    公開日: 2014/03/05
    ジャーナル フリー
    2002年1月から2011年12月までの10年間に筑波大学附属病院耳鼻咽喉科で1次治療を行った下咽頭悪性腫瘍84例を対象として検討を行った。性別は男性76例, 女性8例であった。年齢は36歳から85歳までで, 平均年齢は66.0歳であった。病理組織は全例が扁平上皮癌で, 梨状陥凹 (PS) が70例で全体の83.3%と最も多く, 後壁 (PW) は8例で9.5%, 輪状後部 (PC) は6例で7.2%であった。病期は, stage Iが2例 (2.3%), stage IIが9例 (10.7%), stage IIIが5例 (6%), stage IVが68例 (81.0%) であった。同時性重複癌をみとめたのは10例で, 肺癌が4例, 食道癌が3例, 胃癌が2例, 肝細胞癌が1例であった。全症例の疾患特異的5年生存率は53.8%で, 亜部位別5年生存率はPSが55%, PWが71.4%, PCは0%であった。咽頭喉頭頸部食道摘出術を行った群の5年生存率は76.5%で, 下咽頭癌全体の5年生存率を上回った。下咽頭癌は予後の悪い疾患ではあるが, 手術を含めた集学的治療により制御も可能であり, 早期発見とともに適切な治療方針の選択が予後の改善に必要であると考えられた。
  • 中山 雅博, 吉村 知倫, 芦澤 圭, 中馬越 真理子, 廣瀬 由紀, 星野 朝文, 西村 文吾, 田中 秀峰, 上前泊 功, 辻 茂希, ...
    2013 年 56 巻 Supplement1 号 p. s97-s103
    発行日: 2013/03/05
    公開日: 2014/03/05
    ジャーナル フリー
    2002年1月から2011年12月までの10年間に当科において治療を行った喉頭がん新鮮例180例について検討した。部位別の発生頻度は声門癌が134例 (74.5%), 声門上癌が40例 (22.2%), 声門下癌が6例 (3.3%) であった。病期分類では, 声門癌でstage Iが68例 (51.1%), stage IIが30例 (22.2%), stage IIIが23例 (17.0%), stage IVが13例 (9.6%) であり, 声門上癌でstage Iが6例 (15.0%), stage IIが4例 (10.0%), stage IIIが7例 (22.5%), stage IVが23例 (52.5%) であった。また, 声門下癌6例はstage IIが4例, stage IIIが1例, stage IVが1例であった。病期別の5年粗生存率はstage Iで96.5%, stage IIで78.8%, stage IIIで66.7%, stage IVで52.7%であった。原発部位別5年粗生存率は声門癌は89.8%, 声門上癌は54.0%で, 今回検討した全症例の5年粗生存率は81.9%であった。また喉頭保存率は全体で64.4%であった。部位別で見た場合, 声門癌では73.9%, 声門上癌では47.5%, 声門下癌では33.3%であった。放射線単独治療を行った声門癌T1症例68例中7例に局所再発が認められ, 治療後年数を経ても注意深く経過観察をしていくことが重要と考えた。
  • ―気管食道シャント発声によるQOL評価―
    上前泊 功, 吉村 知倫, 大原 浩達, 芦澤 圭, 中山 雅博, 廣瀬 由紀, 中馬越 真理子, 西村 文吾, 星野 朝文, 田中 秀峰, ...
    2013 年 56 巻 Supplement1 号 p. s104-s107
    発行日: 2013/03/05
    公開日: 2014/03/05
    ジャーナル フリー
    当科で経験したプロヴォックスを用いた気管食道シャントによる音声獲得につき臨床的検討を行った。年齢は49歳から83歳までの平均61歳で性別は男性6例, 女性1例であった。喉頭摘出となった原疾患としては喉頭癌2例, 下咽頭癌5例であった。全例術後4日目から発声可能であった。また術中, 術後経過中大きな合併症もなかった。食道発声による音声獲得には長期のリハビリを要し成功率も高くなく, 下咽頭癌では食道発声自体が困難であり気管食道シャントによる音声獲得は患者のQOL改善に意義のある手段と考えられた。
  • 廣瀬 由紀, 飛田 忠道, 田渕 経司, 和田 哲郎, 原 晃
    2013 年 56 巻 Supplement1 号 p. s108-s112
    発行日: 2013/03/05
    公開日: 2014/03/05
    ジャーナル フリー
    2002年から2011年に入院した大唾液腺腫瘍のうち, 手術加療を行った患者174人に対し, 後ろ向きに検討を行った。174人中, 耳下腺腫瘍143人, 顎下腺腫瘍30人, 舌下腺腫瘍1人であった。顎下腺腫瘍のうち悪性腫瘍患者は36.7%であり, 耳下腺腫瘍の21%に比して高かった。術前の質的診断として穿刺吸引細胞診が多く用いられていた。穿刺吸引細胞診の良悪性の感度・特異度・陽性的中率・陰性的中率・正診率はそれぞれ, 90.6%, 93.5%, 82.9%, 96.7%, 92.8%であった。また, 組織型の正診率は64.0%であった。超音波ガイド下穿刺吸引細胞診は術前診断に有用であった。
  • 中山 雅博, 吉村 知倫, 芦澤 圭, 中馬越 真理子, 廣瀬 由紀, 星野 朝文, 西村 文吾, 田中 秀峰, 上前泊 功, 田渕 経司, ...
    2013 年 56 巻 Supplement1 号 p. s113-s117
    発行日: 2013/03/05
    公開日: 2014/03/05
    ジャーナル フリー
    2002年1月から2011年12月までの10年間に当科において初回手術を施行した甲状腺腫瘍38例につき臨床的検討をした。性差は女性に多く, 男女とも50歳代, 60歳代に多かった。組織型は良性11例, 悪性27例であった。良性は全例が腺腫様甲状腺腫で, 悪性は乳頭癌が24例, 低分化癌が2例, 未分化癌が1例であった。主訴は頸部腫瘤が最も多く, 嗄声, 咽喉頭異常感と続いた。手術は良性では葉峡切除を, 悪性では総合的判断により全摘, 亜全摘, 葉峡切除を施行した。頸部リンパ節郭清は気管傍リンパ節と気管前リンパ節の郭清は悪性腫瘍の全例に行った。治療成績は未分化癌の1症例の死亡例以外は, 現在まで生存している。再発症例は6例あった。
  • 大久保 英樹, 中山 雅博, 廣瀬 由紀, 田中 秀峰, 西村 文吾, 星野 朝文, 上前泊 功, 飛田 忠道, 辻 茂希, 田渕 経司, ...
    2013 年 56 巻 Supplement1 号 p. s118-s122
    発行日: 2013/03/05
    公開日: 2014/03/05
    ジャーナル フリー
    2002年1月から2011年12月までの10年間に, 筑波大学附属病院耳鼻咽喉科に入院加療した頭頸部癌患者のうち, 陽子線治療を行った症例について検討した。対象患者は61人 (男40人, 女21人), 平均年齢は63歳, 観察期間は1ヵ月から110ヵ月で平均36.6ヵ月であった。原発部位は, 鼻副鼻腔22例, 上咽頭12, 中咽頭11, 聴器7例, 口腔5例, 唾液腺2例, 下咽頭2例であった。照射方法は, 陽子線のみが30例, 陽子線とエックス線の併用が31例であった。陽子線照射終了時の治療効果はCR 18例, PR 34例, SD 3例, PD 1例, 判定不能が5例であった。全症例の5年生存率は70.6%, 部位別では鼻副鼻腔癌64.4%, 上咽頭癌87.5%, 中咽頭癌63.6%であり, 陽子線単独治療20例では22.2%であった。副作用では頭蓋底浸潤の症例で2例に脳壊死を認めた。今後は強度変調陽子線照射の可能性も含めさらに検討していくことが重要と考えられた。
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