耳鼻咽喉科展望
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筑波大学耳鼻咽喉科 原 晃教授就任十周年記念論文集
悪性黒色腫の臨床統計
上前泊 功吉村 知倫大原 浩達芦澤 圭中山 雅博廣瀬 由紀中馬越 真理子西村 文吾星野 朝文田中 秀峰田渕 経司大久保 英樹和田 哲郎瀬成田 雅光原 晃
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2013 年 56 巻 Supplement1 号 p. s54-s57

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抄録
当科で経験した頭頸部悪性黒色腫11例につき臨床的検討を行った。頭頸部皮膚1例, 外耳道1例, 鼻腔7例, 上顎洞1例, 上咽頭1例であった。年齢は20歳から88歳までの平均67歳, 性別は男性4例, 女性7例であった。全身状態不良で治療不能が1例あり10例に対し治療を行った。治療法は1例を除き陽子線治療を中心に陽子線治療単独または手術, 化学療法が併用された。カプランマイヤー法での3年生存率は22.5%であった。原発病死が1例, 遠隔転移死が4例, 他因死が1例であった。全身状態不良で治療不能が1例あり診断後15ヵ月で原病死した。陽子線治療を用いた症例が中心であった一方, 症例が限られており今後, 多施設での共同臨床研究などを通して陽子線治療を含め, 治療指針が確立されることが望まれる。
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© 2013 耳鼻咽喉科展望会
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