耳鼻咽喉科展望
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第36回 日本医用エアロゾル研究会
生理食塩水の鼻噴霧が鼻粘膜粘液線毛輸送機能に及ぼす影響
竹内 万彦鈴村 恵理
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2013 年 56 巻 Supplement3 号 p. s181-s184

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抄録

【目的】 相対湿度の低下が粘液線毛輸送機能の低下をきたすことが報告されている。そこで生理食塩水の鼻への噴霧が鼻粘膜の粘液線毛輸送機能に影響を及ぼすか否かを明らかにするために本研究を行った。
【方法】 対象は特に鼻疾患のない健康成人13名 (男性4名, 女性9名, 平均年齢29.3歳) である。3日にわたってサッカリンテストを施行した。1日目は特に何も処置をせずに行い, 2日目には生理食塩水の鼻噴霧5分後に, 3日目には鼻噴霧15分後に施行した。
【成績】 鼻噴霧5分後のサッカリン時間は前処置なしのそれと比べて有意に短縮していた。鼻噴霧15分後のサッカリン時間は前処置なしのそれと有意差を認めなかった。鼻噴霧5分後のサッカリン時間と鼻噴霧15分後のそれとの間にも有意差を認めなかった。室温は22.8±1.1℃, 湿度は28.8±5.1%であった。
【結論】 生理食塩水の鼻噴霧は短時間鼻粘膜の粘液線毛輸送機能を亢進させるものと考えられる。

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© 2013 耳鼻咽喉科展望会
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