耳鼻咽喉科展望
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臨床
オトガイ舌筋前方移動術 (genioglossal advancement: GA) により改善したオトガイ劣成長を伴う閉塞性睡眠時無呼吸の1例
三浦 正寛有坂 岳大西谷 友樹雄千葉 伸太郎渡邊 統星外木 守雄太田 史一
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2016 年 59 巻 2 号 p. 85-92

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抄録

 【はじめに】 閉塞性睡眠時無呼吸 (OSA) に対する睡眠外科治療として, Stanford 大学の提唱する Two Phase Surgery が本邦でも行われるようになってきた。 Phase1 では, 鼻腔や咽頭など軟組織に対する手術を主に行い, 次いで手術効果が得られなかった場合に Phase2 である上下顎前方移動術を行う。 今回われわれは Phase1 に加えて, 小下顎でかつオトガイ劣成長を伴う OSA に対してオトガイ舌筋前方移動術 (genioglossal advancement: GA) を行い, 効果を得たので報告する。
 【症例】 症例は36歳の女性。 いびき・無呼吸を主訴として当科を紹介受診した。 Polysomnography (PSG) 検査では, 無呼吸低呼吸指数 (AHI) が29.7/h と中等症の OSA であった。 治療として経鼻的持続陽圧呼吸装置を行うが使用困難であったため, Two Phase Surgery による治療計画を立案した。 小下顎もあり Phase2 まで行うことを提案したが, 患者の希望により Phase1 までの手術希望となった。 そこでオトガイ劣成長もあることから GA をあわせて行った。
 【結果】 術後 PSG 検査で AHI は4.9/h と減少し, CT による形態的な評価より咽頭の左右径の拡大も認めた。
 【まとめ】 本症例では骨格形態を正常へ近づけることが結果的に OSA の改善につながった。 今後はさらに症例を重ね, 形態的, 機能的な適応基準の決定と効果的な術式の工夫が必要であると考えた。

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