耳鼻咽喉科展望
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綜説
耳管開放症の臨床
大島 猛史
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2016 年 59 巻 3 号 p. 118-123

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抄録

 耳管開放症の症状は特徴的であり, 典型的な症例では問診で耳管開放症を疑うことは難しくない。 診断のポイントは, (1) 3主徴, (2) 体位による症状の変化, (3) 他覚的所見をとらえる, の3点である。 治療は保存的治療が主体であるが, 最も大切なことは患者に疾患の説明をすることである。 これにより患者は間欠的に訪れる不快な症状に耐えることができるようになる。 難治例では手術的治療の対象となる。 鼻すすりは耳管開放症と関連の深い現象で, 耳管開放症の病態を変化させる。 中耳病変の原因ともなるので, 鼻すすり癖は早期にやめさせなければならない。

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© 2016 耳鼻咽喉科展望会
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