耳鼻咽喉科展望
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副鼻腔炎に対するシセプチン ® (Sisomicin) ネブライザー療法の臨床効果
渡邊 荘郁古田 茂小川 和昭松山 博文清田 隆二前山 拓夫勝田 兼司昇 卓夫大山 勝
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1991 年 34 巻 Supplement2 号 p. 147-154

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抄録

慢性副鼻腔炎症例73例に対して, シソミシンによるネブライザー療法を行い, 臨床効果を検討した。
ネブライザー療法単独の臨床効果は, 有効以上で, 自覚症状53.1%, 他覚所見40.4%, X線所見19.2%, 総合判定で45.2%の有効率であった。嗅覚異常の有効率は11.5%であった。分離菌はS.aureusが13株, 35.1%で最も多かった。
年齢, 病悩期間等の条件別に臨床効果を比較した。その結果, 若年者ほど有効率が高かった。病悩期間や鼻中隔変曲症等の合併症の有無では特に傾向を認めなかった。自・他覚所見, X線所見の重症度が高い程, 各所見の改善率が高かった。併用薬を用いた症例群では自覚症状70.0%, 他覚所見50.0%, X線所見40.0%, 総合判定80.0%であった。
副作用は認められなかったが, ネブライザー施行中に苦み (にがみ) を訴えた症例が6例9.8%あった。

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