耳鼻咽喉科展望
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中鼻甲介蜂巣の臨床
鼻腔整復術
大前 隆
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1992 年 35 巻 6 号 p. 411-417

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抄録

鼻副鼻腔気胞化現象に関しては従来より前頭洞, 上顎洞, 蝶形骨洞等を中心に炎症病態との関与について論議されてきたが, しかし節骨甲介の気胞化現象である中鼻甲介蜂巣についてはその成因を始めまだ臨床的にも不明な点が少なくない。
一方内視鏡下保存的鼻内手術の発展に伴い, 鼻内手術法の手術ルートとなる中鼻道は副鼻腔への主要経路となる所からそれに大きく関与する中鼻甲介蜂巣については今後充分な臨床的認識を持つ事が重要となると考えられる。今回の調査では無作意の500例で93例の中鼻甲介蜂巣が認められ, 鼻腔側壁形態異常に影響を及ぼすと考えられる大きな峰巣は33例27.2%, またその12.3%に蜂巣内陰影があり, 鼻副鼻腔形態異常だけではなく感染病態を示唆した。
従ってこの気胞化現象による鼻腔側壁異常が認められる場合には鼻腔整復術として鼻中隔整復と共に中鼻甲介蜂巣の整復は極めて重要になると考える。
今回は, 舗骨甲介形態異常である中鼻甲介蜂巣について, その出現率, 形態分類, 蜂巣陰影について調査し臨床的意義, 手術法について論述した。

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