耳鼻咽喉科展望
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眩暈患者の障害の評価第2報
障害の理由の評価の意義
伊藤 裕之菊池 康隆浅井 和康斉藤 孝夫
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1992 年 35 巻 6 号 p. 419-423

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抄録

眩量患者72例について眩量患者の日常生活上の障害について, 眩量外来初診時に, 医師による聞き取りにより調査を行った。(1) 階段の昇降 (2) 新聞や雑誌を読む (3) 高い所の物の出し入れや高い所に洗濯物を干し, の3項目について, 障害と感じている理由についての調査結果について報告した。眩量患者の日常生活における障害は, 動きを伴う行為と視覚に関わる行為とでは障害の理由が異なり, 動きを伴う行為においてはふらつきなどの平衡機能障害そのものに基づく障害や眩量や行為に対する不安などの精神状態が障害の理由であることが多かった。これに対して, 視覚に関わる行為では「気持ちが悪くなる」といった自律神経症状が障害の原因であることが多かった。眩量のリハビリテーションを行う場合には, 眩量そのものに対する運動療法だけでなく, 自律神経症状や不安やイライラなどの精神状態に対する対応も必要である。

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