1992 年 35 巻 Supplement6 号 p. 475-482
昭和61年2月から昭和61年5月までに奈良県下3病院で診断されたスギ花粉症61例を封筒法で2群に分け, ケトチフェン内服単独群とプロピオン酸ベクロメタゾン点鼻併用群で臨床効果をみた。
全般改善度は単独群では改善以上46.7%, やや改善以上70%, 併用群では改善以上71.4%, やや改善以上89.3%となり, 両群に有意差を認めた。
全体で11例に副作用が出現した。10例は眠気で1例は頭痛だった。
有用度は, 単独群では有用以上46.7%, やや有用以上70%, 併用群では有用以上64.3%, やや有用以上82.1%で両群に有意差を認めた。
効果発現までの期間は単独群よりも併用群の方が早かった。スギ花粉症の初期には併用で, 後期には単独で有効であることが示唆された。