抄録
プライマリ・ケアの歴史的展開と今日的意義について述べた。医療が疾病のみを対象としていた時代から, 病人を対象とする医療へと変革を遂げつつあるのが現代で, 包括医療のもとに少しずつ医療の在り方が変わりつつある。プライマリ・ケアでは現実の診療は実地医家に負うところが大きい。ことに上気道炎をはじめとする耳鼻科の炎症性疾患は, プライマリ・ケアで扱われることが少なくない。将来, 他科の医師達と競合することも予想されるので, 病診連携などを含めた生涯教育によって医学知識・診療技術を高めることが必要である。