抄録
昭和59年より平成4年までの9年間に, 当科でsmall fenestra stapedectomyを試みた耳硬化症例58例66耳について検討した。
性別は, 男性26例32耳, 女性が32例34耳であった。
術前聴力は骨導聴力においてCarhart's notichを認めたものが26耳 (39.4%) であった。気導聴力では37耳 (50.1%) がstiffness curveを呈していた。
術後の聴力の改善はほぼ満足できるものであった。しかし, small fenestra stapedectomyがmedium fenestra stapedectomyやtotal stapedectomyより良好であったとは言えなかった。
使用ピストンの長さは4.25mmのものが最も多く37耳 (56.1%) であった。