抄録
口蓋扁桃摘出術の際の術創からの出血の減少を目的として, 主として子宮や直腸の切除に用いられるエルマン社製のサージトロンユニバーサルスネアー (電気絞断器) を口蓋扁桃摘出術に応用し, 出血量を従来の扁桃摘出術と比較検討した。対象は全て慢性扁桃炎で電気絞断器を使用した8例と, ブリューニング式扁桃絞断器を使用した9例である。摘出をはかる扁桃を上方から被膜外剥離したのち, 電気絞断器使用例では下極と母体との接合点である結合織に係蹄をかけ通電しながら徐々に絞断を試みた。出血量はガーゼ分量で13mlから55mlで, 平均は27mlであった。電気絞断器を使用しない標準的な扁桃摘出術の出血量の平均は53mlであった。