耳鼻咽喉科展望
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剣道難聴によるとおもわれる1症例とその弟たちの聴力像について
内藤 永恵田中 康夫井上 庸夫棚木 美紀
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1995 年 38 巻 4 号 p. 425-429

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抄録

剣道によりもたらされた感音難聴を有する17歳男子とその弟たちの聴力像について文献的考察を加えて報告した。長男は剣道歴10年でオージオグラムで両側にc5 dip型聴力損失をきたし, 剣道歴8年の次男は左側2kHzを中心とするdip型聴力損失が認められたが, 剣道歴5年の三男には, 純音聴力検査でみるかぎり異常は認められなかった。
剣道難聴は一般に剣道の経験年数が長くなるにつれて難聴が進行する傾向があり, また, 剣道難聴をきたす要因としては, 道場内の騒音によるものだけではなく, 面をうけたときの内耳への直接障害がより強く影響しているのではないかと考えられた。

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