耳鼻咽喉科展望
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心停止をきたした甲状腺腫瘍の1例
熊埜御堂 浩井上 貴博冨田 俊樹川崎 篤山崎 一人
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1995 年 38 巻 4 号 p. 420-424

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抄録

甲状腺良性腫瘍 (濾胞腺腫) において, 心停止にいたる急激な呼吸困難をきたした症例を経験したので, その臨床経過を報告し, 病態について検討した。
症例は64歳, 女性。2年前より前頸部腫瘤に気付いていたが, 突然の喘鳴, 呼吸困難が出現し近医受診時に心停止をきたした。近医にて救命処置をとられた後, 呼吸困難と前頸部腫瘤の精査目的に当院へ搬送された。当院入院後5日目に気管切開術および甲状腺腫瘍亜全摘術を施行し病理組織学的検査にて濾胞腺腫と診断された。
病態としては腫瘍内出血により急速増大が起こり気管が圧迫され呼吸困難をきたし心停止にいたったと考えられた。

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