耳鼻咽喉科展望
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鼻茸における筋線維芽細胞の局在とステロイドによる変化
野中 学野中 玲子Jerry Dolovich奥田 稔
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1995 年 38 巻 5 号 p. 566-573

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抄録

鼻茸は上気道の慢性炎症性病変であり基底膜の肥厚や問質の線維化を特徴としている。筋線維芽細胞はコラーゲンをはじめ種々の細胞外基質の産生能が盛んで線維化の過程に寄与すると考えられている。
今回, 鼻茸中に筋線維芽細胞が存在するか, また, 時として鼻茸を縮小させ, また線維化に対して有効なステロイドが筋線維芽細胞に影響を与えるか検討した。
その結果鼻茸組織には筋線維芽細胞が存在し, ステロイド使用鼻茸と未使用鼻茸を比較すると, 未使用鼻茸中に多くの筋線維芽細胞が存在した。In vitroの実験でもステロイドが直接作用し筋線維芽細胞の数を減少させた。

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