耳鼻咽喉科展望
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38 巻 , 5 号
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  • 形浦 昭克, 原渕 保明
    1995 年 38 巻 5 号 p. 541-565
    発行日: 1995/10/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 野中 学, 野中 玲子, Jerry Dolovich, 奥田 稔
    1995 年 38 巻 5 号 p. 566-573
    発行日: 1995/10/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    鼻茸は上気道の慢性炎症性病変であり基底膜の肥厚や問質の線維化を特徴としている。筋線維芽細胞はコラーゲンをはじめ種々の細胞外基質の産生能が盛んで線維化の過程に寄与すると考えられている。
    今回, 鼻茸中に筋線維芽細胞が存在するか, また, 時として鼻茸を縮小させ, また線維化に対して有効なステロイドが筋線維芽細胞に影響を与えるか検討した。
    その結果鼻茸組織には筋線維芽細胞が存在し, ステロイド使用鼻茸と未使用鼻茸を比較すると, 未使用鼻茸中に多くの筋線維芽細胞が存在した。In vitroの実験でもステロイドが直接作用し筋線維芽細胞の数を減少させた。
  • 野中 玲子, 野中 学, 奥田 稔, Jerry Dolovich, Manel Jordana
    1995 年 38 巻 5 号 p. 574-581
    発行日: 1995/10/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    喘息, アレルギー性鼻炎, 鼻茸などの気道の慢性炎症で, 組織中に特徴的に浸潤する好酸球のその役割について知るためには, 直接組織内の好酸球自体を調べる必要がある。そこで今回, 好酸球を豊富に含む鼻茸組織より好酸球を高純度で単離する方法を確立した。今回は, 80.0±9.2%の純度で単離することができ, またその98%がEG2陽性の活性型好酸球であった。さらに, このようなin vivoで自然に活性化をうけた組織好酸球と健常者の末梢血好酸球の寿命を比較したところ, 鼻茸好酸球の寿命は末梢血好酸球のそれに比べて明らかに延長していた。このことは, 炎症局所での好酸球浸潤のメカニズムに関わるものと考えられた。
  • 免疫組織化学的検討
    宇佐美 真一, 新川 秀一
    1995 年 38 巻 5 号 p. 582-589
    発行日: 1995/10/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    種々の角化上皮のマーカーの発現パターンを免疫組織化学的に検討し, 真珠腫上皮と骨部/軟骨部外耳道と比較した。その結果, 一般的に真珠腫上皮は骨部外耳道との共通点が多く, 軟骨部外耳道との共通点は少ないことが明らかとなり, 骨部外耳道皮膚は正常でも過増殖するpotentialの高い部位であることが推測された。また上皮マーカーの発現パターンを検討した結果, 同じ真珠腫上皮の中でも非常に活動性の高い部分と非活動的な部分とが混在している可能性が示唆され, 中耳真珠腫の保存的治療あるいは術前治療の際に真珠腫上皮を非活動的な状態にすることが重要であると考えられた。
  • 武井 聡, 増野 博康, 小林 宏成
    1995 年 38 巻 5 号 p. 590-595
    発行日: 1995/10/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    腎癌の転移は一般に血行性で, 転移する臓器は, 肺, 肝, 骨が主であり, 耳鼻科領域への転移は稀であるとされている。今回, 腎癌にて腎摘後2年経過して, 鼻腔, 副鼻腔への転移を認めた1例を経験したので報告する。
    症例は61歳男性, 鼻出血を主訴に来院した。鼻腔内に腫瘍性病変部を認め, 画像, 生検等精査を行うも確定診断は得られなかったが, 既往歴, 症状より, 腎癌の鼻腔転移を強く疑い全摘出術を施行した。摘出した腫瘍の組織病理所見より腎癌の鼻腔転移と診断された。術後8ヵ月を経過したが, 他の転移巣は認められず, 局所再発も認められていない。
  • 北村 真紀, 平出 文久, 鄭 正舟, 渡部 一雄, 渡嘉敷 亮二, 大橋 伸也, 吉田 知之, 舩坂 宗太郎
    1995 年 38 巻 5 号 p. 596-602
    発行日: 1995/10/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    頭頸部領域において軟骨肉腫の発生は稀であるがその中でも鼻中隔よりの発生はさらに稀である。今回私たちは鼻中隔より発生した軟骨肉腫の症例を経験したので報告した。
    症例は29歳の女性で両側の鼻閉を主訴に来院した。初診時鼻中隔は両側に膨隆し鼻腔をほぼ完全に閉塞していた。CT, MRIにより鼻中隔腫瘍と診断し生検を施行した結果, 軟骨肉腫と診断された。このため全身麻酔下, 歯齪部切開による経鼻的に腫瘍部以外の鼻中隔軟骨とともに腫瘍を摘出した。摘出した腫瘍は白色でやわらかく, 病理組織学的診断では中等度ないしやや高度の分化度の軟骨肉腫と診断された。
  • 井上 貴博, 冨田 俊樹, 川崎 篤, 山崎 一人
    1995 年 38 巻 5 号 p. 603-608
    発行日: 1995/10/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    甲状腺分化癌の濾胞癌と乳頭癌は, ともに頻度が高いがこれらの合併は比較的稀である。
    今回われわれは, 54歳, 女性の合併例を経験した。シンチグラフィー, CT, MRIなどの画像による術前の合併の診断は, 困難であった。また, 約20年前に濾胞癌手術の既応歴があったが, 病理組織学的所見からは今回の濾胞癌は, 新たに発生した可能性が高いと考えられた。
    稀ではあるが, 合併の可能性も念頭において診断および治療にあたることが肝要であると思われる。特に, 合併例では血行性およびリンパ行性転移の精査と厳重なフォローアップが必要である。
  • ヒト側頭骨病理組織学的観察
    鈴木 聡明, 大谷 巌, 相川 通
    1995 年 38 巻 5 号 p. 609-612
    発行日: 1995/10/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    中耳真珠腫の病変の特徴の一つは単純性慢性中耳炎と比較して骨破壊が高度のことである。真珠腫の骨破壊機序については, 従来より圧迫による骨破壊壊死, 炎症性肉芽から産生される2内因性物質による骨吸収促進作用等が報告されている。しかし, 形態学的に内因性物質がどの様な経路により骨に作用するかについての報告は少ない。今回, われわれは上鼓室型中耳真珠腫の骨破壊像について病理組織学的に観察したところ, 骨破壊が真珠腫マトリックスに接している骨に一様に起こるのではなく真珠腫マトリックスの断裂部に特異的に存在する所見を得た。また断裂部にはリンパ球などの炎症細胞の浸潤も存在した。これらの所見から真珠腫による骨破壊は主として真珠腫マトリックスの断裂部より放出された内因性物質により, 種々の細胞が誘導され, 生じるものと推察された。
  • 笹森 史朗, 村井 和夫
    1995 年 38 巻 5 号 p. 613-620
    発行日: 1995/10/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    過去10年間に当科で手術を施行し, 術前の純音聴力検査で対側骨導値が正常であった真珠腫性中耳炎77例, 81耳を対象とし, 同条件をみたす非真珠腫性中耳炎33例, 36耳と, 純音聴力像について比較検討を行った。
    その結果, 真珠腫性中耳炎の骨導閾値は非真珠腫性中耳炎に比べ, 経過が長くなるに従い上昇する傾向がみられ, また, 気導骨導閾値差も経過とともにやや大きくなる傾向がみられた。非真珠腫性中耳炎の聴力型は低音障害型が多くみられたのに対し, 真珠腫性中耳炎は水平型が多くみられた。骨導閾値が上昇した例は, 真珠腫が中鼓室に存在し, 発症後10年以上経過した例に多くみられた。
  • 八木沼 裕司, 小林 俊光, 高橋 由紀子, 高坂 知節
    1995 年 38 巻 5 号 p. 621-623
    発行日: 1995/10/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    後天性真珠腫86例91耳について鼻すすり癖が誘因となっている可能性について検討した。耳管開放症のため耳閉感, 自声強調, 呼吸音聴取などの耳症状を抑えるために鼻をすすっていることが問診により明らかになったものは20例23耳であった。対側耳にも所見のある例は20例中16例であった。真珠腫の診察に当たってはこのような機序によるものが存在する可能性を念頭に置き, 鼻すすり癖の有無とその動機についての詳細な問診が必要であるとともに, 鼻すすり癖を止めさせるよう十分指導する必要がある。また開放耳管そのものに対する治療も必要である。このような鼻すすり癖が誘因と考えられる真珠腫の手術では鼻すすりが止められない可能性も考慮し, 真珠腫再形成につながる鼓膜内陥防止のため, 症例によっては換気チューブ留置併用なども検討する必要があろう。
  • かぜ症候群
    倉繁 隆信
    1995 年 38 巻 5 号 p. 624-631
    発行日: 1995/10/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 基礎と臨床の接点
    湯浅 涼
    1995 年 38 巻 5 号 p. 632-637
    発行日: 1995/10/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • informed consent理論の背景
    畔柳 達雄
    1995 年 38 巻 5 号 p. 638-651
    発行日: 1995/10/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 中島 庸也, 富谷 義徳, 小島 博巳, 鴻 信義, 志和 成紀, 宮野 龍太, 森山 寛
    1995 年 38 巻 5 号 p. 652-656
    発行日: 1995/10/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    SPFX発売直後の特に過敏症や精神症状などの副作用調査を兼ねた耳鼻咽喉科領域感染症に対する臨床効果と組織移行性の調査として慢性中耳炎 (真珠腫性中耳炎を含む) における中耳粘膜への薬剤移行性につき検討した。臨床効果は耳鼻咽喉科領域感染症を有する患者で, 中耳炎9例, 副鼻腔炎7例, 咽喉頭炎2例, その他2例の計20例が対象となり, 副作用は全例とも認められなかった。有効性は併用薬の関係で3例除外した。17例で判定し改善以上15例で有効率88.2%であった。
    中耳粘膜へのSPFX組織移行性は10例の慢性中耳炎手術患者について行った。SPFX血清中, 中耳粘膜 (肉芽) 内濃度は内服2時間後 (1例) で0.701μg/ml, 1.107μg/gで, 4時間後 (9例) ではそれぞれ, 0.133-1.178μg/mlと0.475-3.574μg/gとの結果となった。組織内濃度/血清中濃度比は0.89-3.57, 平均2.20と1例を除き, 血清中濃度を上回る濃度が中耳組織内に移行していた。
    今回の検討によりSPFXの良好な組織移行性, そして安全性と臨床効果が示され, 耳鼻咽喉科感染症に対しても非常に有用な薬剤と考えられた。
  • 小児通年性アレルギー性鼻炎に関する試験
    馬場 駿吉, 岩田 重信, 西村 忠郎, 伊藤 博隆, 高木 一平, 鈴木 元彦, 間宮 紳一郎, 内藤 健晴, 井畑 克朗, 八木 澤幹夫 ...
    1995 年 38 巻 5 号 p. 657-676
    発行日: 1995/10/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    小児通年性アレルギー性鼻炎患児を対象にTBX (ペミロラストカリウム) ドライシロップの0.2mg/kg/日 (L群) と0.4mg/kg/日 (H群) の2投与群で, 本剤の有効性, 安全性及び有用性について比較検討した。
    1.最終全般改善度は著明改善がL群21.1%, H群22.2%, 中等度改善以上がL群60.5%, H群70.4%であり, 両群問に有意差は認められなかった。
    2.副作用は70例中1例 (L群) に下痢が認められたのみであった。また, 臨床検査値の投与前後の変動は数項目について差が認められたが, いずれも正常範囲内の変動であった。
    以上の成績より, 本剤の小児通年性アレルギー性鼻炎に対する有効性及び安全性が認められ, 0.2rng/kg/日の投与量においてもその効果が示唆された。
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