耳鼻咽喉科展望
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温熱エアロゾル吸入による鼾低減の定量評価
佐藤 良暢
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1995 年 38 巻 Supplement2 号 p. 91-96

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抄録

目的
鼻・咽・口蓋に解剖学的変形のない鼾患者が就寝前に温熱エアロゾルを鼻吸入することで一晩を通じての鼾低減が認められるのか否かを客観的・定量的手法を用いて検定した。
方法
鼾ボランティア30名を被験者とし, 市販の鼻吸入専用器 (ナショナル製) を用いて発生エアロゾル (43℃, Dp6.0μm, GSD2.1μm, 3ml/分, 10分) を吸入 (予備実験), さらに録音解析による定量評価方法による「本実験」では上記条件のほか5分吸入も加え, 一定の吸入方法の下に吸入させた。
結果と考察
10分吸入ほかの条件下では,「本実験」被験者全員に低減効果が認められたが, 効果出現の有無には鼻腔温度上昇が大きく関わるために, 温熱エアロゾル鼻吸入の際の吸入方法が重要であること, また5分吸入では効果が低いことも明らかとなった。

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