耳鼻咽喉科展望
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実験的アレルギー性副鼻腔炎モデル作製の試み
白崎 英明朝倉 光司成田 慎一郎形浦 昭克
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1995 年 38 巻 Supplement3 号 p. 232-237

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抄録

副鼻腔炎におけるアレルギーの関与を明らかにする目的で, 卵白アルブミン感作鼻アレルギーモルモットを用い検討した。全身および局所感作を行った群では, 8匹中7匹 (87.5%) に単核球と上皮脱落細胞を主体とする主に粘液性, 粘膿性の副鼻腔貯留液が認められたが, 各コントロール群では, 5匹中1-2匹 (20-40%) に単核球と好中球を主体とする主に膿性の貯留液が認められた。組織学的には, 全身および局所感作を行った群では, 鼻腔側のみに上皮内, 上皮下への著明な好酸球の浸潤が認められたが, 副鼻腔側では, 軽度の単核球の浸潤を認めた。胚細胞数増加も鼻腔側においてのみ認められた。以上の副鼻腔での炎症性, アレルギー性変化が少ないという結果より, 今回の鼻アレルギーモルモットに合併する副鼻腔炎は, 自然孔の閉塞により生じている可能性が示唆された。

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