耳鼻咽喉科展望
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めまい症例に対するペントキシフィリン300mg徐放錠 (トレンタール300®) の有用性の検討
小形 章大内 利昭神崎 仁井上 泰宏大平 達郎吉原 重光佐藤 靖夫増野 博康
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1997 年 40 巻 1 号 p. 121-126

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抄録
ペントキシフィリン300mg徐放錠 (トレンタール 300 ®) のめまいに対する有用性を検討した。対象は耳性めまい, メニエール病, 良性発作性頭位眩量症 (BPPV) などの末梢性めまいを中心とする70例である。70例中めまい症状の全般改善度は「著明改善」が2例 (2.9%), 「改善」が28例 (40%), 「やや改善」が33例 (47.1%) で, 「改善」以上の効果を示したものが42.9%, 「やや改善」以上が90.0%であった。70例中3例に副作用を認めたが, いずれも軽微で内服を中止せずに軽快した。併用薬剤の有無や副作用なども考慮した有用性は「有用」例は32例 (45.7%), 「やや有用」例は30例 (42.9%) であった。以上の点からペントキシフィリン300mg徐放錠 (トレンタール300 ®) はめまいに対して有用で安全な薬剤であると考えられた。
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