耳鼻咽喉科展望
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通年性鼻アレルギーに対するONO-1078の臨床効果
一般臨床試験
山下 敏夫久保 伸夫古川 昌幸池田 浩己川村 繁樹神田 晃井野 千代徳北尻 雅則岩井 大喜多 淳南 豊彦大谷 真喜子白石 修悟多田 直樹張 久幸
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1997 年 40 巻 3 号 p. 361-376

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抄録
通年性鼻アレルギー患者50例を対象としてONO-1078の有効性, 安全性および有用性について検討した。最終全般改善度の改善率は「中等度改善」以上で74.5% (35/47例) であった。4週後の症状別改善度の改善率は「改善」以上で, くしゃみ発作, 鼻汁および鼻閉に対して, それぞれ65.0% (26/40例), 70.0% (28/40例) および87.5% (35/40例) であり, 鼻閉に対する改善率が最も高かった。鼻所見のうち, 下甲介粘膜の腫脹, 鼻汁中好酸球数に対して, それぞれ62.5% (25/40例), 60.0% (12/20例) の改善率であった。副作用は6例 (12.2%) にみられ, その内容は「下痢」2例, 「下痢・腹痛」1例, 「腹痛」2例, 「腹部膨満感」1例であり, その程度はいずれも軽度で, 重篤なものはなかった。有用率は「有用」以上で71.7% (33/46例) であった。
以上より, ONO-1078は通年性鼻アレルギーに対して有用であり, 安全に使用されうる薬剤であると考えられた
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