1997 年 40 巻 5 号 p. 551-556
鼓室内誘導法による蝸電図検査を24症例に行った。針電極を鐙骨に近い部位に挿入した場合と, 正円窓に近い部位に挿入した場合において, SP・AP混合波形より, AP, SP, SP/AP振幅比を比較検討した。APは鐙骨に近い部位より, 正円窓に近い部位からの誘導波形にて大きかった。SP/AP振幅比は誘導位置により影響を受けなかった。陽性SPは11症例において, 正円窓に近い部位からの誘導波形のみに認められた。SPの極性は誘導電極の位置により影響を受けるものと思われた。