耳鼻咽喉科展望
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ロキシスロマイシン少量長期投与によるIL-1βとTNF-αの産生抑制
in vivoにおける実験的検討
洲崎 春海浅野 和仁
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1997 年 40 巻 Supplement2 号 p. 164-168

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抄録
ロキシスロマイシン (RXM) の少量長期投与療法の作用機序を検討する目的で, 本研究を行った。成人の慢性副鼻腔炎で実際の臨床で行われているRXM少量長期投与療法におけるRXMの投与量と投与期間を想定して, RXM1日常用量の半量に相当する2.5mg/kgのRXM液をSPFの5週齢BALB/c系雄性マウスに1日1回経口投与した。1.0μg/ml</IK. pnmmoniae由来のlipopolysaccharide液0.1m/を気管内注入24時間後のマウス肺組織内でのIL-1βとTNF一αの産生に及ぼすRXM少量長期投与の作用をin vivoにおいて実験的に検討した。
RXM投与1週後および5週後ではIL-1βおよびTNF-αの産生程度はRXM投与群とRXM非投与群で差がなかった。RXM投与7週後および12週後では, IL-1βおよびTNF-αの産生の程度はRXM非投与群と比べてRXM投与群では有意に抑制された (P<0.01) 。
これらの結果は, RXMの少量長期投与がin vivoにおいて抗炎症作用, 免疫調節作用を有している可能性のあることを示している。
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