耳鼻咽喉科展望
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40 巻 , Supplement2 号
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  • 石戸谷 淳一, 小口 直彦
    1997 年 40 巻 Supplement2 号 p. 63-67
    発行日: 1997/06/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    気管支喘息やアレルギー性鼻炎に合併する慢性副鼻腔炎(アレルギー性副鼻腔炎)とアレルギーの要因がない慢性副鼻腔炎(非アレルギー性副鼻腔炎)を対象に,鼻茸中のサイトカイン(IL-5,IL-8,IFNγ)をELISAキットを用いて定量した。IL-5が検出された症例は全例がアレルギー性副鼻腔炎であり,鼻茸中の好酸球浸潤が著明であった。非アレルギー性副鼻腔炎症例では,IL-5が検出された症例はなかったがIL-8は比較的高値を示した。鼻茸中IL-8濃度は鼻汁中の好中球出現と相関した。症例別にIL-5とIL-8値を二次元にプロットすると,アレルギー性副鼻腔炎症例と非アレルギー性副鼻腔炎症例の分布は異なっていた。以上より,アレルギー性副鼻腔炎と非アレルギー性副鼻腔炎とでは,炎症病態が異なりサイトカインネットワークの活性化も異なっていることが示唆された。
  • 下村 明, 池田 勝久, 古川 正幸, 高坂 知節, 鈴木 秀明, 綿谷 秀弥
    1997 年 40 巻 Supplement2 号 p. 68-72
    発行日: 1997/06/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    好中球を炎症局所に引き寄せるためのメカニズムではIL-8等のケモカインをはじめとする各種遊走活性因子が重要である。我々は慢性副鼻腔炎における好中球動員のメカニズムについて検討し, 副鼻腔炎の病態形成に対してIL-8を中心とした炎症モデルを提唱した。このモデルでマクロライドの作用機序について検討するために, 鼻粘膜上皮からのIL-8産生およびマクロライドのIL-8分泌に対する抑制効果についての検討を行った。その結果, 上皮細胞からのIL-8分泌は非刺激時にも認められ, LPS付加によりさらに増加することが認められた。この系にマクロライドを付加することにより上皮細胞からのIL-8産生が抑制されることが確認された。JMとEMとのIL-8分泌抑制効果の差異が10-6Mで認められ, この差異がマクロライドの構造による臨床効果の差異の原因の一つとなっている可能性が示唆された。
  • 木村 貴昭, 山中 昇, 横山 道明, 九鬼 清典, 與田 順一, 國本 優, 保富 宗城
    1997 年 40 巻 Supplement2 号 p. 73-77
    発行日: 1997/06/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    鼻粘膜上皮細胞は吸入抗原が初めて出会う細胞のひとつである。われわれはIL-1α, IL-1β, IL-8などサイトカインの分泌を通して粘膜免疫における鼻粘膜上皮細胞の役割を検討した。IL-1はさまざまな細胞に働き, 他のサイトカインの分泌を促進させる。IL-8は好中球の走化・遊走に関与するもので, その炎症前期における効果は局所免疫に関与しているものと思われる。IL-1もIL-8も上皮細胞で産生され, その分泌はTNF, LPS, ある種のウィルスなどによって制御されているものと思われる。われわれは手術により得た15例の検体を使用した。検体は一晩プロテアーゼと反応させ, 小さな鋭匙で掻き単細胞の浮遊液を作製した。洗浄後細胞は培養液に浮遊させ, コンフルエントな状態になるまで培養した。培養液を入れ替えLPSやOK-432などを様々な濃度で添加し, そして24時間後に上清を分析した。その結果LPSによりIL-1α, IL-1β, IL-8の分泌が促進されることをELISA法にて確認した。しかし, OK-432によってIL-8の分泌は抑制された。鼻粘膜上皮細胞はIL-1, IL-8などさまざまなサイトカインを産生することにより局所免疫応答に能動的に関与しているものと思われる。
  • 野中 学, 野中 玲子, マネル ジョルダーナ, ジェリー ドロビッチ
    1997 年 40 巻 Supplement2 号 p. 78-84
    発行日: 1997/06/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    鼻茸と喘息は, 組織内への好酸球浸潤を特徴とする気道の慢性炎症であり, また間質の線維化や基底膜の肥厚など組織学的変化は類似している。IL-4は多機能性サイトカインであり, 好酸球浸潤の誘導や線維芽細胞増殖作用などを特徴としている。我々は鼻茸と気管支喘息患者気管支粘膜のIL-4の産生細胞の比較検討を行った。鼻茸中には喘息患者の気管支粘膜と比較して約3倍のIL-4陽性細胞が認められた。また, 喘息患者気管支粘膜IL-4陽性細胞の約90%は好酸球でなかったが, 鼻茸中の約80%は好酸球であった。ノーザンプロッティングとin situ hybridizationによる検討から鼻茸中ではIL-4の主な産生細胞は好酸球であると考えられた。
  • 短期投与の検討
    間宮 紳一郎, 高木 一平, 羽柴 基之, 馬場 駿吉
    1997 年 40 巻 Supplement2 号 p. 85-88
    発行日: 1997/06/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    マクロライド長期投与療法では2-3ヵ月という比較的長期を要する例が多いが, その理由は明らかになっていない。今回我々はRXMをモルモットに経口投与し, 投与期間と好中球の遊走能に与える影響の関連について検討した。その結果, 投与期間依存的に好中球遊走抑制作用が増強することが示され, マクロライド長期投与療法の臨床効果に好中球機能抑制が関係している可能性が示唆された。またRXMの好中球に対する作用点を推定するため細胞内カルシウム動態を検討したが, RXM投与群と対照群で明らかな差は認められなかった。このことより, RXMの作用点は細胞内カルシウム動員より以降の情報伝達系の箇所と考えられ, 更に検討を要するものと考えられた。
  • 特に慢性副鼻腔炎重症度との関係について
    深澤 啓二郎, 小笠原 寛, 阪上 雅史
    1997 年 40 巻 Supplement2 号 p. 89-91
    発行日: 1997/06/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    内視鏡下鼻内副鼻腔手術を行った慢性副鼻腔炎患者上顎洞粘膜の病理組織学的所見と粘膜粘液輸送能について検討した。また, 慢性副鼻腔炎重症度との関係についても検討した。上顎洞粘膜は鼻内手術の際に採取し, 走査型・透過型電子顕微鏡で観察した。術後, 7-10日後に上顎洞内へ青色latexbeads (直径3ミクロン) を少量注入し, その行方 (排泄能) をファイバービデオ下に観察した。術前の画像診断における重症症例の上顎洞粘膜では繊毛細胞の脱落が目立ち, かわって多角形で微絨毛を多くもつ細胞がみられた。軽症例では繊毛細胞の障害程度は少なかった。粘液輸送能では, 重症例にlatex beadsの排泄能の低下を示す傾向にあった。
  • ウイルス・細菌重感染による実験的検討
    鈴木 賢二, ローレンオー バカレッツ, 馬場 駿吉
    1997 年 40 巻 Supplement2 号 p. 92-96
    発行日: 1997/06/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    ウイルスの上気道感染が急性副鼻腔炎の発症に関与していることはよく知られている。本研究では, Chinchillaを4群に分け, 経鼻的にアデノウイルスタイプ1 (AV1) およびノンタイプヘモフィルスインフルエンザ (NTHi) を同時あるいは経時的に投与した。AV1を投与されたChinchillaが高率にウイルス性上気道感染症状を呈することが示され, 特にAV1投与後7日目にNTHiを投与されたA群では, B群, C群と比較して鼻咽腔の組織病理学的障害および機能障害が最も強く, またD群, E群, F群では, A群, B群, C群と比較して鼻咽腔, 耳管, 鼓室の粘膜上皮の組織病理学的障害および機能障害が少ないことが示された。Chinchillaを用いた実験的上気道炎発症においてAV1とNTHiの相乗効果が強く示唆された。
  • 蔦 佳明, 村田 清高, 横山 隆, 原 一彦, 杉原 功一
    1997 年 40 巻 Supplement2 号 p. 97-100
    発行日: 1997/06/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    我々は下鼻甲介粘膜下切除術を発展させた新しい鼻内手術, 鼻涙管下鼻甲介スウィング法を考案した。この術式は鼻涙管と下鼻甲介を一塊として左右にスウィングさせることにより中鼻道を大きく開放する新しいアプローチの鼻内手術である。本術式では下鼻甲介粘膜を一部摘出し中鼻道を大きく開放するが, アレルギーの関与した症例と関与しない症例で同じ術式でよいのかどうか問題がある。そのため, 免疫組織化学的に下鼻甲介と自然孔周囲粘膜で肥満細胞数を検討した。その結果自然孔周囲粘膜のほうが下鼻甲介粘膜より肥満細胞数が多くみられた。アレルギーの関与した症例と関与しない症例では肥満細胞数に差はなかった。以上から, アレルギーの関与に関係なくこの術式を行って中鼻道を大きく開けてよいと結論した。
  • 慢性化に関する嫌気性菌の役割の検討
    秋田 茂樹, 新井 信一郎, 堀部 昌代, 藤井 恵子, 加藤 洋治, 水田 啓介, 伊藤 八次, 宮田 英雄
    1997 年 40 巻 Supplement2 号 p. 101-107
    発行日: 1997/06/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    副鼻腔炎の慢性化に嫌気性菌が関与するかどうかを検討するために, 成熟白色家兎の上顎洞に慢性副鼻腔炎患者から検出されたS.aureusP.buccaeを注入し, 1週間後の所見を観察し以下の結果を得た。
    1. 菌注入前にアレルギー感作をした群と感作をしない群では, 感作をした群で炎症が起きやすく, 嫌気性菌単独でも起炎菌となった。
    2. 菌注入1週間後の所見では, 好気性菌による副鼻腔炎の方が嫌気性菌よりも炎症の程度が強かった。
    3. 副鼻腔炎の慢性化を考える上で, さらに長期的観察を行っている。
  • 全洞性副鼻腔炎症例での検討
    鶴迫 裕一, 小川 晃弘, 野宮 重信, 西崎 和則, 武田 靖志, 瓦井 康之
    1997 年 40 巻 Supplement2 号 p. 108-113
    発行日: 1997/06/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    全洞性変化を有する副鼻腔炎症例について, ESS (endoscopic sinus surgery) 及びFESS (functional endoscopic sinus surgery) にて各10症例ずつ手術を施行し, 術後3ヵ月時点で治療効果を統計的に比較検討した。自覚症状・他覚所見・総合評価ともに, このふたつの術式による有意差を認めず, FESSが全洞性病変にも有用な手術であると判断された。また術後性変化として中鼻道及び嗅裂の狭窄やポリープを生じた症例が約半数あり, 手術手技の向上・術後治療の重要性を再認識した。
  • 佐伯 忠彦, 上甲 英生, 有友 宏, 中村 光士郎, 相原 隆一, 比野平 恭之, 湯本 英二, 柳原 尚明
    1997 年 40 巻 Supplement2 号 p. 114-120
    発行日: 1997/06/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    鼻内視鏡手術を行った慢性副鼻腔炎例の術後にロキシスロマイシン (RXM) を長期投与 (1回150mg, 2回/日, 平均15.7週) した群 (投与群, 23例42側) と消炎酵素剤のみを投与した群 (非投与群, 13例24側) にわけ, 各々の術後経過について比較検討を行った。自覚症状に対する全般改善度は, 有効以上が各々65.2%と53.8%であり, 他覚所見に対する全般改善度は各々92.5%と60.0%であった。総合効果は有効以上が各々63.6%と44.4%であった。治療前後のCT所見は各々有効以上が81.8%と58.8%であった。内視鏡下の各副鼻腔粘膜所見では前・後箭骨洞において投与群が非投与群より良好な所見を呈した。中鼻道および上顎洞自然孔の開存度は開存度中以上の状態が各々約90%を占め両群問に有意差はみられなかった。
  • 牛嶋 千久, 全 一, 福島 龍之, 村上 匡孝, 安田 範夫, 八木 正人
    1997 年 40 巻 Supplement2 号 p. 121-125
    発行日: 1997/06/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    当科では, 従来長期間保存的に加療されていたような軽症の副鼻腔炎症例につき, マクロライドを数ヵ月使用しても改善をみないものは, 積極的に内視鏡下鼻内手術を勧めている。今回このような軽症例に対し, その特徴的所見, 治療期間について検討を加えてみた。
    軽症でありながらマクロライド少量長期投与による治療に抵抗性で, 最終的に手術を必要とする副鼻腔炎症例の特徴として, ostiomeatal complexの閉塞性病変の存在があげられる。副鼻腔とくに前頭洞, 篩骨洞, 上顎洞の換気・排泄の経路として重要な役割を果たしているのが, ostiomeatal complexである。この部分の疎通性を確保するのが本来機能的内視鏡下鼻内手術の基本理念であり, その目的を達せられた症例は術後良好な経過をたどっている。
    一定期間の保存的加療で改善をみない症例には, 積極的に手術療法を導入した方が短い期間で確実な治療が行えると考えた。
  • 間島 雄一, 坂倉 康夫
    1997 年 40 巻 Supplement2 号 p. 126-132
    発行日: 1997/06/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    本研究はクラリスロマイシン (CAM) の少量長期投与の効果を評価するためにデザインされた。対象は75名の16歳以上の慢性副鼻腔炎患者であった。このうち58名はCAMを1日200mg, 3ヵ月または6ヵ月間投与された。また他の17名はエリスロマイシン (EM) を1日600mg3ヵ月商投与された。自覚症状と他覚所見による治療効果は著効, 有効, やや有効, 無効, 悪化に分類した。著効と有効とを併せた有効率は3ヵ月のCAM投与期間中は投与期聞の増加に従って有効率は上昇した。また, EMでも同様の傾向が認められた。投与3ヵ月目のCAMの有効率は44.5%, EMのそれは25.0%であり, 両者間の有効率に差を認めなかった。このCAMの有効率について慢性副鼻腔炎に対する他の治療法の有効率と比較検討した。
  • 鈴木 秀明, 下村 明, 池田 勝久, 大島 猛史, 高坂 知節
    1997 年 40 巻 Supplement2 号 p. 133-135
    発行日: 1997/06/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    マクロライド少量長期投与による慢性副鼻腔炎病態の改善を副鼻腔含気化率によって定量的に評価した。非アレルギー性慢性副鼻腔炎患者10例に対しロキシスロマイシン150mg/dayを4-11ヵ月間単独投与した。投与前後に副鼻腔CTを行い, 画像上の副鼻腔内のair densityの部分の割合をpublic domainNIHimage programによって計算し, 副鼻腔含気化率とした。投与後の副鼻腔含気化率は上顎洞, 飾骨洞, 蝶形骨洞, 前頭洞のいずれにおいても有意に増加した。特に蝶形骨洞と前頭洞における改善が著明であった。
    以上より慢性副鼻腔炎に対するマクロライド少量長期投与療法の臨床的効果が定量的に, きわめて客観的に示された。副鼻腔含気化率は副鼻腔炎の改善のパラメーターとして合理的かつ客観的なものであり, 自覚症状・他覚所見のスコア評価や副鼻腔X線陰影に基づく判定よりも優れていると考えられた。
  • 追跡調査の結果より
    山川 卓也, 佐藤 典史, 加納 昭彦, 安藤 一郎, 市川 銀一郎
    1997 年 40 巻 Supplement2 号 p. 136-140
    発行日: 1997/06/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    慢性副鼻腔炎に対するニューマクロライド系抗生剤の少量長期投与法の有用性については, 近年多くの報告があるが, 投与期間, 投与量の検討, さらにその効果の持続期間, 再発の時期についての検討は, 十分ではない。今回我々は, ロキシスロマイシンの少量長期投与を半年間継続させ, 1年後の追跡調査を行った。対象は, 成人の慢性副鼻腔炎患者59名であり, 投与方法は, A群とB群の2群に分類し, まずロキシスロマイシン通常量の300mg/dayを4週間投与後, A群は150mg/dayを20週間投与, B群では150mg/dayを隔日投与で, 20週間継続した。1年後の調査では, A群では73%, B群では47%に軽度改善以上が持続していた。
  • 宮之原 郁代, 松根 彰志, 古田 茂, 大山 勝
    1997 年 40 巻 Supplement2 号 p. 141-145
    発行日: 1997/06/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    YAMIK療法を行った慢性副鼻腔炎28例において中鼻道と副鼻腔貯留液の細菌培養検査を同時に行い検討した。全体として検出菌の頻度において両者に大差はなかった。しかし両者の細菌叢が完全に一致したのは32.1%であった。副鼻腔貯留液で病原菌が検出された群に比べ, 明らかな病原菌が検出されなかった群で臨床改善率が高い傾向がみられた。抗菌作用以外の治癒機転が存在することが示唆され副鼻腔貯留液の排除がこれに関与するものと思われた。
  • 新川 敦, 坂井 真, 矢野 潮
    1997 年 40 巻 Supplement2 号 p. 146-149
    発行日: 1997/06/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    耳鼻咽喉科専門医 (実地医家) において悪性腫瘍疑い症例, 手術適応症例に高分解能CTを市の保健センターに依頼し, 大学医師と協同で読映した事例を報告した。これらは耳鼻咽喉科専門医に受診した全副鼻腔炎の2.1%であった。撮影されたフイルムからは骨破壊を認める症例, 一側性副鼻腔陰影でもアレルギー性を疑う症例, 蓄膿病態の程度がわかる症例など, 従来の単純撮影では得ることができない情報が得られることが判明した。
  • 深見 雅也, 浅井 和康, 柳 清, 島田 千恵子, 飯田 誠, 吉川 衛, 森山 寛
    1997 年 40 巻 Supplement2 号 p. 150-154
    発行日: 1997/06/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    内視鏡下鼻内手術を行った慢性鼻副鼻腔炎症例の分析を行い, 病態による術後経過の相違を検討した。片側性副鼻腔炎では全例で経過良好であった。喘息合併群では, 鼻茸に著明な好酸球の集積が見られ, 術後経過のあまりよくない例が多く見られた。アレルギー性鼻炎合併例でも, 副鼻腔炎においてはI型アレルギー以外の種々の因子が関与していると考えられ, 内視鏡下鼻内手術は有効であった。術中内視鏡による上顎洞の観察による分類では, 上顎洞にポリープと膿の両者が存在した群などに術後経過不良例がやや多い傾向が見られたものの, 副鼻腔炎の病態を明確に分類するには至らなかった。
  • 術後洗浄療法について
    中村 晶彦, 久保 伸夫, 南 豊彦, 山下 敏夫
    1997 年 40 巻 Supplement2 号 p. 155-158
    発行日: 1997/06/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    我々の施設で従来より副鼻腔炎治療に用いているYAMIK副鼻腔炎治療用カテーテル (YAMIK) を内視鏡下副鼻腔手術の術後洗浄療法に用いた。その結果自覚症状の改善は術後早期の評価で, 全例でほぼ改善以上の回答を得た。また術後の内視鏡による観察, 術後3ヵ月目の副鼻腔CTによる検討でも良好な治癒経過が観察できた。今後検討すべき点はあるが本カテーテルが術後の洗浄療法にも有用であると考えられた。また本カテーテルを用い, 新しいドラッグデリバリーシステムとして今後の応用が期待できると思われた。
  • 飯野 ゆき子, 宮澤 哲夫, 石塚 洋一
    1997 年 40 巻 Supplement2 号 p. 159-163
    発行日: 1997/06/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    小児副鼻腔炎に対するマクロライド療法の有効性に関し, 種々の臨床像と病態から成人の慢性副鼻腔炎の有効性との比較検討を試みた。対象はクラリスロマイシン (CAM) 少量長期療法を施行した小児の慢性副鼻腔炎症例30例で, マクロライド療法 (CAMまたはRXMの少量長期療法) を施行した成人症例30例を対照とした。その結果, 3ヵ月後の自他覚所見の改善率は小児症例で87%であり, 成人の67%よりやや高い傾向がみられたが, 有意差は認められなかった。副鼻腔X線上の改善率は73%であり, 成人に比べ有意な改善が認められた。また小児では高頻度に病原菌が検出され, CAM投与後に大部分の症例で除菌された。以上の結果から, 小児の慢性副鼻腔炎に対するマクロライド療法の有効性は高く, 理由として細菌感染性の要因が強く, アレルギー性要因の関与が低いことが考えられた。
  • in vivoにおける実験的検討
    洲崎 春海, 浅野 和仁
    1997 年 40 巻 Supplement2 号 p. 164-168
    発行日: 1997/06/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    ロキシスロマイシン (RXM) の少量長期投与療法の作用機序を検討する目的で, 本研究を行った。成人の慢性副鼻腔炎で実際の臨床で行われているRXM少量長期投与療法におけるRXMの投与量と投与期間を想定して, RXM1日常用量の半量に相当する2.5mg/kgのRXM液をSPFの5週齢BALB/c系雄性マウスに1日1回経口投与した。1.0μg/ml</IK. pnmmoniae由来のlipopolysaccharide液0.1m/を気管内注入24時間後のマウス肺組織内でのIL-1βとTNF一αの産生に及ぼすRXM少量長期投与の作用をin vivoにおいて実験的に検討した。
    RXM投与1週後および5週後ではIL-1βおよびTNF-αの産生程度はRXM投与群とRXM非投与群で差がなかった。RXM投与7週後および12週後では, IL-1βおよびTNF-αの産生の程度はRXM非投与群と比べてRXM投与群では有意に抑制された (P<0.01) 。
    これらの結果は, RXMの少量長期投与がin vivoにおいて抗炎症作用, 免疫調節作用を有している可能性のあることを示している。
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