耳鼻咽喉科展望
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鼻茸上皮の形態的変化とPCNA
飯田 誠深見 雅也鴻 信義吉川 衛浅井 和康柳 清森山 寛
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キーワード: 鼻茸, PCNA, 上皮細胞, 杯細胞
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1998 年 41 巻 2 号 p. 115-120

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抄録

鼻茸に対し細胞増殖動態を観察するのに広く用いられているProliferating Cell Nuclear Antigen (PCNA) の発現について検討した。PCNA陽性細胞は, 腺上皮及び上皮細胞に発現をみた。上皮は様々な形態を示しており, 線毛上皮の部位では, 正常上顎洞粘膜の線毛上皮と比較しても, 大きな違いは認められなかった。扁平上皮化生の部位では, PCNA陽性細胞が基底層から表層まで多く認められ, 活発に分裂増殖していると推測された。過形成を示している部分では, 分泌細胞が多数観察され, 基底細胞だけでなく杯細胞にもPCNA陽性細胞が多く認められ, 鼻茸上皮においては, 杯細胞にも旺盛な増殖能があり, 炎症時の上皮細胞の過形成は分泌細胞も増殖している可能性が示唆された。杯細胞は上皮細胞が炎症によって障害されたときの治癒過程の一部としての生体の反応であると推測された。

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