耳鼻咽喉科展望
Online ISSN : 1883-6429
Print ISSN : 0386-9687
ISSN-L : 0386-9687
複視, 平衡障害を主訴とした橋びまん性神経膠腫症例
山崎 竜一矢部 多加夫吉本 裕澤木 誠司藤井 守
著者情報
ジャーナル フリー

1998 年 41 巻 2 号 p. 121-126

詳細
抄録

複視, 平衡障害を主訴とした26歳男性の橋びまん性神経膠腫症例を報告する。びまん性神経膠腫gliomatosis cerebriはびまん性, 浸潤性の進行を特徴とする神経膠腫のまれな亜型である。頭痛, 性格変化, 痙攣などを主症状とするが, 検査所見に乏しく, 従来報告例の多くは剖検診断によるものであった。近年, MRIと生検による診断報告が散見されるようになったが, 本報告ではMRIに加え, 聴性脳幹反応, 視運動性眼振検査, 指標追跡検査などの神経耳科学的検査が脳幹病変の部位診断に有用であったので報告する。

著者関連情報
© 耳鼻咽喉科展望会
前の記事 次の記事
feedback
Top