抄録
スギ花粉症を対象としてミゾラスチンの有効性と安全性を評価する目的で, 減感作療法のみを実施する群 (G群) と減感作療法を実施するとともにミゾラスチンを投与する群 (M群) の2群によるオープン比較試験を実施した。
鼻アレルギー日記の集計結果より, 対照観察期間と比較してM群ではくしゃみ, 鼻みず, 鼻づまりのいずれの症状も本格飛散期1週目から, G群は初期または中期飛散期から有意差が認められた。また, 群間比較では鼻づまりの本格飛散期3週目で有意差 (M群<G群) が認められた。試験薬剤との因果関係が否定できない副作用は5例8件に認められ, 発現率は12.8%であった。副作用の内容は眠気が4件, だるさ, 口渇, 頭痛, 食欲不振が各1件であり, 重篤なものはなかった。また, 心電図所見においても異常変動は認められなかった。以上の成績より, 本剤はスギ花粉症に対して初期療法の効果が認められ, また, 安全であると考えられた。