耳鼻咽喉科展望
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ミゾラスチン (MKC-431) のスギ花粉症に対する臨床試験
遠藤 朝彦森山 寛山口 龍二斎藤 洋三石戸谷 淳一小口 直彦洲崎 春海藤谷 哲石塚 洋一山口 展正中島 康博実吉 健策梅澤 祐二矢部 武臼井 信郎大木 幹文木田 亮紀小山 英明山内 由紀佐藤 かおる山田 久美子牧山 清亀谷 隆一勝又 淳子森田 一郎小川 明
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1998 年 41 巻 3 号 p. 301-324

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抄録
スギ花粉症を対象としてミゾラスチンの有効性と安全性を評価する目的で, 減感作療法のみを実施する群 (G群) と減感作療法を実施するとともにミゾラスチンを投与する群 (M群) の2群によるオープン比較試験を実施した。
鼻アレルギー日記の集計結果より, 対照観察期間と比較してM群ではくしゃみ, 鼻みず, 鼻づまりのいずれの症状も本格飛散期1週目から, G群は初期または中期飛散期から有意差が認められた。また, 群間比較では鼻づまりの本格飛散期3週目で有意差 (M群<G群) が認められた。試験薬剤との因果関係が否定できない副作用は5例8件に認められ, 発現率は12.8%であった。副作用の内容は眠気が4件, だるさ, 口渇, 頭痛, 食欲不振が各1件であり, 重篤なものはなかった。また, 心電図所見においても異常変動は認められなかった。以上の成績より, 本剤はスギ花粉症に対して初期療法の効果が認められ, また, 安全であると考えられた。
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