耳鼻咽喉科展望
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スギ・ヒノキ花粉症に対する塩酸エピナスチン (アレジオン®錠) の初期治療 (季節前投与) 効果
馬場 駿吉柳田 則之岩田 重信西村 忠郎瀧本 勲石神 寛通宮田 英雄坂倉 康夫野末 道彦星野 知之宇佐神 篤
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1998 年 41 巻 6 号 p. 635-652

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抄録

東海4県の79施設において, スギ・ヒノキ花粉症 (鼻アレルギー) 278例を対象に塩酸エピナスチン (アレジオン®錠) の初期治療 (季節前投与) 効果と安全性を検討した。
鼻症状の程度, 重症度は飛散1-2週において初期治療 (季節前投与) 群が飛散後治療群に比し, 軽症に推移した。花粉飛散量の多い飛散中期以降においては両群間に差はなく, いずれも軽症で推移した。また, メディケーションスコアを用いた併用薬剤の検討では両群問に差はなく, スコアも極めて低く推移した。最終全般改善度の有効以上は, 初期治療 (季節前投与) 群が69.4%であり, 飛散後治療群が41.6%であった。副作用は, 8例 (2.9%) に認められたが, 安全度については両群間に差を認めなかった。以上より, 本剤による初期治療 (季節前投与) は特に花粉飛散初期において有用であり, 飛散後投与においても飛散量によっては即効性の臨床効果が期待できることが示唆された。

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