1998 年 41 巻 Supplement1 号 p. 13-16
鼻用スプレー薬中噴射剤封入のものはCFCs (フロン) 等による環境汚染上の問題で次第にそれに替わる噴射剤非封入の手動スプレー薬が開発されてきている。しかしそれらが定量噴霧薬 (MDI) であるのか, その噴霧エアロゾルが鼻腔内に適正に分布するのかなどの有用性は, 噴射条件の異なるスプレー薬ごとに実証する必要がある。そこで一市販手動ジェットMDI点鼻液Ketotifen fumarate (KF) を今回のサンプルとし, 噴霧エアロゾルの (1) 粒径分布, (2) 鼻腔内分布, および (3) 鼻腔内捕集率を測定したので, その結果につき報告した。 (1) は受止法による測定の結果, 平均粒径35.1μmの対数正規分布を示した。さらに, 模型鼻腔による (2), (3) の実験結果から, 上記有用性につき検証した。