耳鼻咽喉科展望
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アンケート調査による難聴者の障害受容についての検討
酒井 丈夫加藤 賢新木 五月岩崎 聡
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1999 年 42 巻 1 号 p. 39-45

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抄録

質問紙法によるアンケート調査によって難聴者の心理的な障害受容について検討した。質問項目は大別すると難聴者の聴力, 日常生活におけるコミュニケーション障害の程度を調査する項目群と, 障害受容についての項目群の2群に分けられる。便宜上, 50dB未満を軽度難聴, 50dB以上70dB未満を中等度難聴, 70dB以上を高度難聴とした。90人の難聴者のうち45人は高度難聴者であった。
22.2%の難聴者は自らの障害の心理的受容が不十分であった。難聴が高度であればあるほど障害受容が困難になるということはなかった。自らの障害を否認する, 健常であった頃の自己を思慕するといった, 障害を心理的に受容してない障害者は抑うつなどの心理的な問題を抱えやすくなるといわれている。障害受容のために心理的治療を必要とする難聴者が少なからず存在することが示唆された。

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