1999 年 42 巻 2 号 p. 172-176
悪性リンパ腫は高齢者に多く発症する疾患だが, 加齢による全身の変化や, 基礎疾患の存在のため, 治療成績は必ずしも良好でないことがある。今回我々は, 頭頸部領域に発生した65歳以上の高齢者の悪性リンパ腫について臨床的検討を行ったので報告する。組織学的には, すべて非ポジキンリンパ腫で, 臨床病期は, 早期が82.1%であった。進行例のもののほか, ワルダイエル輪以外に発生した節外性リンパ腫で予後が悪かった。治療は, 全身状態にあわせ, 減量した化学療法に放射線を併用して行うことが有効と考えられた。