耳鼻咽喉科展望
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顎下腺原発carcinosarcomaの1症例
谷口 雄一郎石井 正則森脇 宏人濱田 幸雄
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2000 年 43 巻 2 号 p. 131-135

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抄録
唾液腺腫瘍のcarcinosarcomaは極めて稀な腫瘍である。今回我々は顎下腺原発のcarcinosarcomaの1例を経験したので若干の文献的考察と免疫組織学的所見を加えて報告する。症例は76歳男性で主訴は右顎下部腫脹。30年前より右顎下部に示指頭大の良性腫瘤があり放置していたが, 1997年11月より腫瘤の急速な増大を認めたため当科受診となった。顎下腺悪性腫瘍を疑い, 顎下腺腫瘍摘出術, 右頸部郭清術施行したところ上皮性成分として扁平上皮癌を, 肉腫成分として悪性繊維性組織球種 (MFH) を認め, 顎下腺原発のcarcinosarcomaの診断となった。Carcinosarcomaは予後不良な悪性腫瘍であり周囲組織を含めた広範な外科的切除と放射線治療が必要と考えられた。
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