抄録
甲状腺腫瘍の術中に腫瘍部位や範囲の再確認と切除範囲の決定, 残存甲状腺の精査などを目的に超音波エコーを導入しその有用性について検討した。対象は1998年から2000年にかけ手術を行った多発性あるいは悪性を疑った甲状腺腫瘍32例とした。使用した機種はHITACHI製ECHOPAL, 周波数が10MHz, 走査幅が38mmのメカニカルセクター浅部用超音波診断装置である。術中に介在物を装着したプローブを用いることで, 触診のみでは結節の判断がつきにくい微小癌や慢性甲状腺炎合併例等に有用であると考えられた。