耳鼻咽喉科展望
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鼻翼に発生した神経鞘腫の1例
丹羽 洋二歌橋 弘哉飯塚 雄志鴻 信義加藤 孝邦
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2001 年 44 巻 1 号 p. 33-37

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抄録

顔面に見られる神経鞘腫は稀で, 本邦の過去の報告では7例を数えるのみである。今回, 右鼻翼部腫瘤を主訴とする48歳, 男性の神経鞘腫の症例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告した。右鼻翼の皮下に板状硬で表面平滑な腫瘤を触知し半球状隆起を呈し, 大きさは径20mm程度であった。MRI所見では右鼻翼に境界明瞭な長径20mm程の腫瘤を認めた。病理組織像はAntoni A型とAntoni B型との二つの形態からなっており, また核の柵状配列を認めた。神経鞘腫の治療は腫瘍全摘出術が原則であるが, 今回の症例では皮膚合併切除もあり, その皮膚欠損部に対し正中前額皮弁再建術も行った。

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