耳鼻咽喉科展望
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鼻副鼻腔検出菌とエアロゾル療法について
藤原 啓次島田 純山中 昇
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2002 年 45 巻 Supplement1 号 p. 41-45

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抄録

ネブライザー療法の有効性について, コントロールをふまえた評価を日本化学療法学会の新規抗微生物薬の臨床試験実施計画書に基づき臨床試験を行った。対象は急性鼻副鼻腔炎に罹患した小児51例である。鼻副鼻腔検出菌では鼻ネブライザー後に細菌学的に効果を認めたのは12例 (50%) であり, x2検定で有意差を認めた。鼻ネブライザー非施行では6例 (50%) で細菌学的に増悪を認めた。最終効果判定基準にて検討すると, 鼻ネブライザー施行では治癒例が17例 (68%), 非治癒例7例 (28%) と高い治療効果を認めた。この判定においてネブライザーの最終効果判定が68%という値は小児副鼻腔炎の難治性を考えると高い値である。以上から小児副鼻腔炎に対する塩酸セブメノキシム (CMX, ベストロン®) ネブライザー療法の有効性が認められた。

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