耳鼻咽喉科展望
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当科における鼓室形成術の聴力成績
萎澤 えり子木下 裕継東 美紀肥塚 泉
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2003 年 46 巻 3 号 p. 207-210

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抄録

2000年4月から2002年3月までの2年間に, 聖マリアンナ医科大学病院耳鼻咽喉科で鼓室形成術を施行した76例のうち, 術後6ヵ月以上経過を観察し得た41例43耳を対象に術後の聴力成績を検討した。聴力の成績判定は, 日本耳科学会より提案された「聴力改善の成績判定 (2000年) 」に基づいて行った。全症例における聴力改善は69.8%であった。疾患別では慢性中耳炎87.5%, 真珠腫性中耳炎56.5%, その他75%であった。真珠腫性中耳炎における外耳道後壁の処理別検討では, 後壁再建・乳突腔充填例の聴力改善は53.8%, 外耳道後壁温存例は625%であり, 両者の問には有意差は認めなかった。術式別では, I型818% (9/11), 皿型70.8% (17/24), IV型50.0% (4/8) であった。

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