耳鼻咽喉科展望
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新型メッシュ式超音波式ネブライザーの噴霧特性及び使用性
吉山 友二関 和恵三野 杏子矢崎 知子菅家 甫子荒井 真人朝井 慶寺田 隆雄
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2003 年 46 巻 Supplement1 号 p. 41-44

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抄録

今回, ネブライザー専用薬剤の塩酸セフメノキシム他をモデル薬剤として用い, 新型メッシュ式超音波式ネブライザーNE-U22 (オムロン) 使用時における各薬剤の噴霧特性および使用性について比較検討した。塩酸セフメノキシムはNE-U22により, ほぼ100%の薬剤噴霧率を示し, フィルターや薬液槽, 振動子等にわずかに付着残存するのみであった。硫酸サルブタモール吸入液は, NE-U22での噴霧による変化は認めることなく超音波処理に対して安定であり, 薬剤噴霧効率も96.3%と良好であった。ステロイド懸濁液のブデソナイド噴霧が可能となるとともにブデソナイドの薬剤安定性も保持し得ることが明らかとなった。また, NE-U22の使用性についてアンケート調査より, NE-U22は携帯性や周囲への配慮などにおいて改善がみられ, 利便性が向上した新型超音波ネブライザーとして臨床で有用であることが示唆された。また, 小型, 携帯化により, 外来患者のみならずICUなどの病床にある患者にも適応が拡大できる可能性と相侯って, 適正なネブライザー療法が患者に福音をもたらすことを強調したい。

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