歯性感染症起炎菌は口腔レンサ球菌と嫌気性菌の複数菌感染症である。起炎菌に対する薬剤耐性化が1980年代後半から認められ, 口腔レンサ球菌のペニシリン耐性化およびPrevotella属のβ-ラクタマーゼ産生菌が増加している。内服抗菌剤が適応となる中等症までの歯性感染症に対するβ-ラクタム剤の有効率は90%程度であるが, 今後MICの劣化によっては有効率に影響を及ぼすと考える。深頸部感染症の起炎菌の一つであるP. intermediaを用い溶血活性およびエラスターゼ活性の検討を行った結果, 実験感染モデルの重症度と溶血活性およびエラスターゼ活性は相関する傾向が認められた。