2007 年 50 巻 5 号 p. 318-324
Auditory neuropathy (Auditory nerve disease) は正常な外有毛細胞機能と聴性脳幹反応無反応を呈することを特徴とする聴覚障害である。その病態には多くの過程が関わり, 聴力に与える影響は様々である。我々は自動化聴性脳幹反応を用いた新生児聴覚スクリーニングにて見出された一側性のAuditoryneuropathy症例を経験した。耳音響放射は両耳で検出されたが, 聴性脳幹反応は右耳で無反応であった。今回6年間経過観察し, 純音聴力検査の結果を得たので診断の過程と各種聴覚検査の所見, 臨床経過について文献的考察を併せて報告する。