2009 年 19 巻 3 号 p. 185-190
外傷性耳小骨連鎖離断は頻回に経験する疾患ではないが連鎖離断状況は症例によって多様であり、臨床像を把握しておくことは重要である。また手術による聴力改善は良好であるため連鎖再建術の良い適応である。1995年から2007 年までに当科で手術加療を施行した外傷性耳小骨連鎖離断症例13例13耳を対象とし、その臨床像ならびに治療成績の検討を行った。伝音再建した全例で聴力改善を得ることができた。外傷後伝音難聴が持続する症例に対し積極的な試験的鼓室開放術を施行することが望ましいと考えた。