Otology Japan
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原著論文
生活指導と有酸素運動によるメニエール病の治療
高橋 正紘
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2010 年 20 巻 5 号 p. 727-734

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抄録
めまい専門施設の4年間のメニエール病患者411名(男性162名、女性249名)に対し、ライフスタイル正常化と有酸素運動を実践し(1回1時間以上を週3回以上)、原則無投薬、月一回の受診の治療を実施した。6ヶ月以上観察した83名で、めまい消失55.4%、ほとんどない27.7%、時々ある10.8%、しばしばある6.0%であった。6ヶ月以上観察した102名129耳で、初診時の低音障害からの改善47.7%、高音障害からの改善33.3%、全音域障害からの改善26.6%であった。固定した高音障害、全音域障害の改善には、非日常的な頻度・量の有酸素運動が必要であった。有酸素運動が内耳局所の循環を改善させ、水腫を改善させると推測された。発症誘因の調査結果を考慮すると、メ病は心身の奉仕や頑張りに対する報酬不足が、情動中枢を介し内耳循環不全を招き、内リンパ水腫を生む可能性が示唆された。
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© 2010 日本耳科学会
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