Otology Japan
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原著論文
埋め込み型骨導補聴器BAHAの長期経過によるトラブルの検討
岩崎 聡工 穣茂木 英明中西 啓峯田 周幸宇佐美 真一
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2010 年 20 巻 5 号 p. 721-726

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抄録
2003年9月から2005年8月までの期間に信州大学耳鼻咽喉科と浜松医科大学耳鼻咽喉科にてBAHA手術を施行した15名(信州大学6名、浜松医大9名)を対象とし、3年9ヶ月から5年8ヶ月(平均4年4ヶ月)経過した時点までの期間内で生じたトラブルについて検討した。トラブルの部位は、皮弁、インプラント、サウンドプロセッサー(SP)に分けられ、それぞれ7名(47%)、2名(13%)、10名(67%)にみられた。皮弁のトラブルの内訳は57%が炎症で、外来の局所処置にてコントロール可能であった。ケロイド体質の1症例は皮弁の皮膚がインプラントを覆ってしまい(overgrowth)、インプラントの自然脱落も伴った。皮膚のOvergrowthがみとめられた他の2症例は皮弁再建術で改善した。最も頻度の多かったSPのトラブルの発症時期は装着開始後6ヶ月から5年(平均1年9ヶ月)で見られた。
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© 2010 日本耳科学会
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